アンドリュー・シップマン氏は、他の旅客と同様に、チェックインした手荷物が出てくるのを待っていた。しかし、デルタ航空は、氏のスーツケースを失くしてしまった。とうぜん弁償してもらうことになったが、デルタ航空は、スーツケースが使い古され、既に価値が下がっていることを理由に、全額弁償を拒んだ。「航空会社と交渉することが、こんなに面倒なことだとは、全く予期していませんでした」、と当時を振り返ってシップマン氏は言う。
ウォールストリートジャーナル紙によれば、2002年以来、航空会社が紛失した手荷物数が毎年増加している。2006年を見ると、150人に1人(アメリカ人旅行者に限る)の割合で荷物が失くなり、2005年度の数値を11%上回った。テロ対策の一環として、機内へ持ち込める手荷物数の制限だけでなく、経営に苦しむ航空会社の人員削減が、荷物紛失数の増加につながったようだ。去年、最も紛失数が多かったのはUSエアウェイズ、そしてデルタ航空、アメリカン航空の順番になる。
ほとんどの旅客は、航空会社との交渉が、いかに困難であるかを知らない。さっそく、空港で係員に苦情を言うことになるが、その場で弁償してくれることは無い。よくても、歯ブラシや石鹸などの洗面用具が支給される程度だ。(場合によっては、1日25ドルに換算して、4日分までの現金が払われることもある。)
アメリカの法律は、航空会社が弁償する金額は、最高で2800ドルまで、と限定している。一荷物2800ドルではなく、旅客一人当たり2800ドルだ。また、宝石、カメラ、現金なども損害賠償の対象にならないこともあるから注意が必要だ。
海外旅行になると、最高でも損害賠償は、モントリオール条約で定められている1500ドルまでだ。しかし、アルゼンチン、オーストラリア、バハマ、ボリビア、ホンジュラス、イスラエル、それにシンガポールの航空会社はモントリオール条約ではなくワルソー条約に従っている。これによると、スーツケース一つ当たりの重さが基準になり、1ポンド(453グラム)当たり最高で9ドル7セントまで支払われる。
ここで、アンドリュー・シップマン氏の話に戻ろう。デルタ航空が失くしたスーツケースは、5年ほど前、645ドルで購入した、と氏は言う。領収書を持っていなかったことと、使い古されていることを理由に、デルタは250ドルを弁償金額に決めた。スーツケースに入っていた衣類など全てを含めると、合計被害額は2258ドル相当だったようだが、最終的にシップマン氏が受け取ったのは1613ドルだった。「責任があるのは航空会社の方です。全く客を無視したビジネスです」、とシップマン氏は付け加えている。
Tuesday January 23, 2007
US Market Recap
一人あたり2800ドル
チャートでクイズ
あなたのチャート知識に挑戦!
テキサスインスツルメンツ(TXN)の日足チャートです。どんなパターンが出来ているでしょうか?
解答
下降型三角形です。下放れを狙うパターンですが、TXNは引け後に決算発表があります。はたして、どちらへ動くでしょうか。
Wall Street English
経済先行指数
15分も時間が過ぎているのに、予定されている、経済先行指数が発表されない。おかしいな、と思っていたら、こんなニュースが出た。
Leading indicators, the day's only data was put off until tomorrow due to "technical difficulties"
なるほど、何らかの技術的支障が生じて、明日まで発表は延期されたようだ。