「相変わらず2007年の相場予想が盛んですが、新年だからと言って、投資姿勢を変える必要は全くありません」、と語るのは、シカゴ商品取引所でトレーダーの経験を持つジョナサン・ホーニック氏だ。「2006年から2007年への移り変わりは、単なるカレンダー上の話です。言うまでもありませんが、新しい年の到来は、トレンドの転換を示すものではありません。」
たしかにホーニック氏の言うとおりなのだが、意外と投資者は、カレンダー上の話に弱い。違った表現をすれば、株式市場の周期性だ。有名なものに、大統領の選挙周期がある。トレーダーズ・アルマナックの統計を見ると、1945年以来、株式市場が最も調子が良いのは大統領任期の3年目だ。今年はブッシュ大統領の任期3年目だから、統計的には、第1四半期+7.5%、第2四半期+5.3%、第3四半期+1.9%、そして第4四半期に+2.8%を期待することができる。
月別の投資方法も人気がある。たとえば、ゴールドマン・サックス(GS)、メリル・リンチ(MER)、それにEトレード(ETFC)などの証券会社に投資するのはいつが良いだろうか?これも、トレーダーズ・アルマナックからの情報だが、過去10年間、10月に証券会社を買って4月に処分すると、年平均で44.5%の利益があった。
一日の中にも周期性(サイクル)があるから、時間帯を気にする、デイトレーダーやスイングトレーダーが多い。下記が、反転の起きやすい時間帯だ。(時間はニューヨーク時間)
1、9時50分ー10時10分 2、10時25分ー10時35分 3、11時15分ー11時30分
4、14時15分ー14時30分 5、15時 6、15時30分
付け加えれば、3と4の間は昼休みだから、売買を避けるトレーダーが多い。また、午前中に利益が上がっていない限り、午後のトレードは控えた方が無難だ、と言うトレーダーも多い。
数々の著書やセミナーで知られるベテラン・トレーダー、ラリー・ウィリアムズ氏は、周期についてこう語っている。「マーケットには二つの周期しかない。値幅の長い周期と短い周期だ。」ようするにボラティリティのことなのだが、言い換えれば、マーケットには値動きの荒い周期と、値動きがおとなしい周期がある。
VIXといえばボラティリティ指数だが、2006年の2月から、ボラティリティのオプション取引ができるようになった。株のトレードでは、上げ下げの方向性が重要になるが、ボラティリティのオプションはマーケットが荒れ模様になるか、それとも静かになるかを焦点にした取引だから、方向性は関係無い。面白そうだから、次の機会にこのオプションを説明したいと思う。
Tuesday January 9, 2007
US Market Recap
マーケットと周期
Stocks You Need To Know About
QQQQ
上で紹介した、一日の周期性を今日の動きで見てみよう。(QQQQはナスダック100指数に連動する銘柄。下は5分足)
1と2で反転しているが、1は14時15分、2は15時の反転が起きやすい時間帯だ。
1と2で反転しているが、1は14時15分、2は15時の反転が起きやすい時間帯だ。
Wall Street English
ギャップ
午後、ファッションの店、ギャップ(GPS)が突然跳ね上がった。(10分足チャート)
この上げを説明する、こんなヘッドラインがある。
Gap hires Goldman Sachs; shares surge
ギャップが、ゴールドマン・サックスをアドバイザーとして雇った、ということなのだが、どうしてこのニュースで株価が棒上げなのか?
ギャップは買収される、という噂が頻繁にあったから、投資者たちは今日のニュースで、買収はほぼ間違いない、と判断したようだ。