割安株投資の欠点は何だろうか?この質問に対する、ハリー・ドマッシュ氏(ウィニング・インベスティング)の回答はこうだ。「私だけに限らず、多くの投資者もそうなのですが、とにかく待てないのです。割安株が上がるには、あまりにも時間がかかりすぎます。」同感だ。次の質問。どうやったら、早めに結果の出る割安株を見つけることができるだろうか?ドマッシュ氏に説明してもらおう。
シカゴ大学教授、ジョセフ・ピオトロスキー氏の研究を基にして、直ぐに動きそうな割安株発見方法を考えてみた。先ず検討したいのはPBR (Price-to Book Ratio)だ。PBRは株価を一株当たりの純資産で割って算出し、一般的にこの数値が低い銘柄は割安と判断される。現在、米国で取引される株の平均PBRは1.7だから、それ未満の数字が割安ということになる。ここでは、PBRを1.5以下に設定する。
ただ株価が割安なだけでなく、企業利益も重要な要素だ。過去1年間の決算報告書を調べて、利益とキャッシュフローがプラスの企業を選ばなくてはいけない。もちろん、利益がプラスでも、減少方向に進んでいる会社はダメだ。ここで注意してほしいことが三つある。
1、総資産利益率(ROA):
ROAは、企業の総資産が利益を得るために、どれだけ有効に活用されているかを示した指標だ。基本的な収益性を示す数字だから、とうぜん高いほど利益も良くなる。
2、負債資本比率:
株主資本に対する債務比率だから、数値が減少方向にある企業が好ましい。
3、売上純利益率: 売上総利益率でも構わないが、肝心なことは上向き方向にあることだ。
チャートも忘れずにチェックしよう。どんなに有望な銘柄でも、トレンドが下向きでは話にならない。難しいチャートパターンは気にせずに、二本の移動平均線、50と200を入れてほしい。買い候補になるのは、株価がこれらの移動平均線より上で推移している株だ。
株価自身にも注意を払う必要がある。3ドル未満の株には、手を出さない方が無難だ。全てがそうだ、とは言えないが、低位株にはファンダメンタルズ的な問題が多いから、3ドル未満の株は避けてほしい。更に、一日平均の出来高が10万株以上の条件を加えると、下記のように、現在5銘柄の買い候補がある。いつものように、これらは投資のアイディアであり、買い推薦でないことをお断りしておきたい。
1. ChipMOS Technologies Ltd (IMOS 半導体セクター)
2. Petrobras Energia (PZE オイルセクター)
3. ASE Tset Limited (ASTSF 半導体セクター)
4. EXCO Resources (XCO オイルセクター)
5. MKS Instruments (MKSI 半導体セクター)
注: ハリー・ドマッシュ氏自身は、上記の5銘柄に投資をしていない。
Saturday January 6, 2007
US Market Recap
短気な人が狙える5銘柄
Stocks You Need To Know About
XCO
ドマッシュ氏のあげた5銘柄の中から、XCOの日足チャートを見てみよう。
15ドル25セント付近に走るサポートラインから跳ね返り、買い手の動きを示す、下ヒゲができた。前日のローソク足には、大して食い込んでいないから、強い反発とは言えない。課題は、下降するトレンドラインを突破できるかだ。
15ドル25セント付近に走るサポートラインから跳ね返り、買い手の動きを示す、下ヒゲができた。前日のローソク足には、大して食い込んでいないから、強い反発とは言えない。課題は、下降するトレンドラインを突破できるかだ。
Wall Street English
雇用統計
真偽のほどは別にして、予想以上に強い雇用統計で株が売られた、と報道されている。良い数字なのに、なぜ下げたのだろうか。説明を読んでみよう。
Stocks failed to find any momentum in Friday afternoon trading, as a stronger-than-expected December jobs report prompted investors to bet that the Federal Reserve will not begin cutting interest rates any time soon.
太字がポイントだ。こんな強い雇用統計では、先ず早急な金利引下げはない、と結論されたためだ。
Stocks failed to find any momentum in Friday afternoon trading, as a stronger-than-expected December jobs report prompted investors to bet that the Federal Reserve will not begin cutting interest rates any time soon.
太字がポイントだ。こんな強い雇用統計では、先ず早急な金利引下げはない、と結論されたためだ。