Saturday January 6, 2007

US Market Recap

短気な人が狙える5銘柄

割安株投資の欠点は何だろうか?この質問に対する、ハリー・ドマッシュ氏(ウィニング・インベスティング)の回答はこうだ。「私だけに限らず、多くの投資者もそうなのですが、とにかく待てないのです。割安株が上がるには、あまりにも時間がかかりすぎます。」同感だ。次の質問。どうやったら、早めに結果の出る割安株を見つけることができるだろうか?ドマッシュ氏に説明してもらおう。

シカゴ大学教授、ジョセフ・ピオトロスキー氏の研究を基にして、直ぐに動きそうな割安株発見方法を考えてみた。先ず検討したいのはPBR (Price-to Book Ratio)だ。PBRは株価を一株当たりの純資産で割って算出し、一般的にこの数値が低い銘柄は割安と判断される。現在、米国で取引される株の平均PBRは1.7だから、それ未満の数字が割安ということになる。ここでは、PBRを1.5以下に設定する。

ただ株価が割安なだけでなく、企業利益も重要な要素だ。過去1年間の決算報告書を調べて、利益とキャッシュフローがプラスの企業を選ばなくてはいけない。もちろん、利益がプラスでも、減少方向に進んでいる会社はダメだ。ここで注意してほしいことが三つある。

1、総資産利益率(ROA):
ROAは、企業の総資産が利益を得るために、どれだけ有効に活用されているかを示した指標だ。基本的な収益性を示す数字だから、とうぜん高いほど利益も良くなる。

2、負債資本比率:
株主資本に対する債務比率だから、数値が減少方向にある企業が好ましい。

3、売上純利益率: 売上総利益率でも構わないが、肝心なことは上向き方向にあることだ。

チャートも忘れずにチェックしよう。どんなに有望な銘柄でも、トレンドが下向きでは話にならない。難しいチャートパターンは気にせずに、二本の移動平均線、50と200を入れてほしい。買い候補になるのは、株価がこれらの移動平均線より上で推移している株だ。

株価自身にも注意を払う必要がある。3ドル未満の株には、手を出さない方が無難だ。全てがそうだ、とは言えないが、低位株にはファンダメンタルズ的な問題が多いから、3ドル未満の株は避けてほしい。更に、一日平均の出来高が10万株以上の条件を加えると、下記のように、現在5銘柄の買い候補がある。いつものように、これらは投資のアイディアであり、買い推薦でないことをお断りしておきたい。

1. ChipMOS Technologies Ltd (IMOS 半導体セクター)
2. Petrobras Energia (PZE オイルセクター)
3. ASE Tset Limited (ASTSF  半導体セクター)
4. EXCO Resources (XCO オイルセクター)
5. MKS Instruments (MKSI 半導体セクター)

注: ハリー・ドマッシュ氏自身は、上記の5銘柄に投資をしていない。

Stocks You Need To Know About

XCO

ドマッシュ氏のあげた5銘柄の中から、XCOの日足チャートを見てみよう。

0105xco2.gif

15ドル25セント付近に走るサポートラインから跳ね返り、買い手の動きを示す、下ヒゲができた。前日のローソク足には、大して食い込んでいないから、強い反発とは言えない。課題は、下降するトレンドラインを突破できるかだ。

Wall Street English

雇用統計

真偽のほどは別にして、予想以上に強い雇用統計で株が売られた、と報道されている。良い数字なのに、なぜ下げたのだろうか。説明を読んでみよう。

Stocks failed to find any momentum in Friday afternoon trading, as a stronger-than-expected December jobs report prompted investors to bet that the Federal Reserve will not begin cutting interest rates any time soon.

太字がポイントだ。こんな強い雇用統計では、先ず早急な金利引下げはない、と結論されたためだ。

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