今年、ブルマーケットは5年目を迎える。過去75年間を振り返ると、平均的なブルマーケットの寿命は3.7年間だから、今日のブルマーケットは息が長い。しかし、力強さが無い。1982年から1987年のブルマーケットでは、一日平均の伸び率は0.17%、そして1990年から1998年の上げ相場では0.15%の一日平均伸び率があった。だが、今日のブルマーケットは0.07%にも満たない。
「のろのろと上げていることは、決して悪いことではありません。だれでも長時間走ることはできませんが、ゆっくりと散歩するなら長続きします。82年に始まったブルマーケットが、87年に暴落したように、ベアたちは今年、同様なことが起きることを期待しています。しかし、ベアの夢はかなえられないでしょう。」 ジョン・マークマン氏(ストラテジック・アドバンテージ) 大きな下げが無いなら、今年も好調なマーケットが展開されるのだろうか?マークマン氏の意見を要約しよう。
2007年、S&P500指数は13%ほどの上昇が予測される。多くの人たちが心配するような景気の冷え込みは無く、連銀はゴルディロックス経済(熱すぎず、冷たすぎない経済)の実現に成功するだろう。インフレも、泡を立てる程度で、完全に沸騰してしまうことはない。現在4.5%の失業率は5.25%に上がると思われるが、これは不況を表す数字ではない。経済成長率は+2.6%ほどが予想され、一部のアナリストが言うようなマイナス成長はありえない。
2.6%の低経済成長率なら、どんな株を狙ったら良いだろうか?簡単言えば、大型成長株が注目だ。具体的には、ハリバートン(HAL)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)、バクスター・インターナショナル(BAX)、コムキャスト(CMCSA)などがある。
今年の後半、2008年にオリンピックを控える中国が、大きな話題になりそうだ。大気汚染のヒドイ中国だが、大気清浄に成功し、世界から集まる人々は、きれいになった空気にビックリすることだろう。
アウトソーシング(外部委託)が進み、多くの職が海外に逃げているが、ハリウッドは別だ。ハリウッドで制作されたテレビ番組や映画は海外で大きな人気を得ているから、マスメディア株が狙える。例をあげれば、ディズニー(DIS)、ニュースコープ(NWS)、LINテレビ(TVL)、グレー・テレビジョン(GTN)などだ。また、関連銘柄としてヤフー(YHOO)も面白そうだ。
一つ、マークマン氏は、大胆な予想をしている。故意に偽ったイラン戦争情報を流したことが原因になり、ブッシュ大統領は弾劾を避けて、大統領職から辞任する。そのため、夏頃、株式市場は一時的な下落に襲われる。