連銀は、もはや短期金利をコントロールすることができない、とジム・ジューバック氏(MSNマネー)は言う。「先週のような出来事が、何度も繰り返されるようなことになれば、米国金利動向の鍵を握るのは誰であるかが、全ての投資家たちに明確になるでしょう。」先週の出来事?氏の話を要約しよう。
11月28日、急降下の続いていたドルは、ユーロに対して20カ月ぶりの安値を記録した。その直後、連銀のバーナンキ議長が信じられない発言をした。米国のインフレ率はいぜんとして高すぎ、経済成長も堅調だから、まだ金利引き上げの可能性があることをほのめかした。
なぜ議長のコメントは意外だったのだろうか?もう一度28日を振り返ってみると、その朝、10月分の耐久財受注が発表された。予想は5%減だったが、結果は2000年7月以来最悪のマイナス8.3%だった。明らかに米国経済の冷えこみを表し、2007年早々に金利引下げがある、というマーケット関係者の見方を支持する数字だ。
もちろん議長の言葉は無視され、ドル売りは止まらなかった。具体的なデータに基いたコメントなら話は別だが、バーナンキ氏の意図は、あまりにも見え透いている。単にドルを上げたいだけだ、とマーケット関係者は受け取った。翌日、第3四半期のGDP(国内総生産)が1.6%増から2.2%増に上方修正された。このニュースで、バーナンキ氏の信用がやや回復し、ドルは0.3%高になった。
ドルには、そう簡単に解決できない問題が三つある。
1、膨大な貿易赤字: オイル価格は下落しているが、結果的に今年度の総赤字額は7500億ドルを超えることになるだろう。現に、大量なドルを保持する海外の中央銀行は、ドルのやり場に困り始めている。
2、米国経済の冷えこみ: 第3四半期のGDPは上方修正されたが、エコノミストは2007年度、米国経済成長率の減速を予想している。そうなると、ヨーロッパや日本にも悪影響を与える可能性がある。
3、海外の金利: 米国の金利は据え置かれているが、ヨーロッパや日本は上げ方向だ。これが意味することは、海外の国債に買いが集まり、アメリカの国債が売られることになる。
「バーナンキ議長は、国内経済ではなくドルを最優先するのではないでしょうか。あり余るドルを保有する中国は、もしドルが1セント下がると、70億ドルの評価損が出るのです。あなたがヨーロッパや日本の銀行なら、含み損の増え続けるドルを、今後も我慢して保持するでしょうか?
来年早々の利下げを予測するアナリストやエコノミストは多いですが、今の連銀には国内経済を優先させる余裕はありません。世界情勢を考慮すれば、たとえ米国経済を弱らせることになっても、連銀は金利引き上げを選ぶのではないでしょうか」、とジューバック氏は強調する。
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Wednesday December 6, 2006
US Market Recap
ドルが直面する3つの問題
Stocks You Need To Know About
S&P500指数
多くのトレーダーたちが、同じことを指摘している。S&P500指数の日足を見てみよう。
高値を更新しているが、RSIは逆に下がっている。一時的な天井になる可能性があるから、注意が必要だ。
高値を更新しているが、RSIは逆に下がっている。一時的な天井になる可能性があるから、注意が必要だ。
Wall Street English
日本に強気
日本に強気だ、というUBS証券のノベリ氏だが、何に強気なのだろうか?
"We are very bullish on Japan," Mr. Novelli said. For M&A, "it could be the fastest-growing market in the world" in three to five years.
向こう3年から5年で、日本国内のM&A(企業合併買収活動)が世界一の伸びになるだろう、ということだ。