絶対に儲かります、控えめに見積もっても300%は行けるでしょう、などとデタラメなことを言って勧誘したら、とうぜん証券マンは罰せられる。それでは、実際に報道されたニュースを、セールストークに利用するのはどうだろうか?事実を引用するわけだから、何の問題も無いように思われるが、こんな話がある。
セールストークに説得力を付けるために、CNNやAP通信からのニュースを使うことは、何も昨日今日に始まったことではない。しかし、今年の7月以来、そんなセールストークを使っていた、南フロリダの先物専門会社数社に4000万ドルを超える罰金が科されている。
2003年が終わろうとしていた頃、ユナイテッド・インベスターズ・グループのセールス担当者が、ランズィー・ウィリアムズ氏に、こう持ちかけた。「灯油のオプションが、とても魅力的になってきました。報道されているように、イラクではオイルパイプラインの破壊行為が目立っています。それに、東海岸北部の州は例年より寒くなりそう、という予報も出ています。」
当時米軍で訓練を受けていたウィリアムズ氏は、イラクのパイプライン破壊に説得され、さっそく5000ドルで灯油オプションを始めた。その後、更に同社の別なセールス担当者を通して、1万7000ドルで為替投資にも手を広げた。結果は、合計投資金額の2万2000ドル(259万円)を全て失った。
判決は、ユナイテッド・インベスターズ・グループの負けだ。イラク戦争などの、世間一般に知れ渡った誤解されやすい情報を使って、セールス担当者はウィリアムズ氏を惑わせた、として14万6350ドル(1726万9000円)の損害賠償と、60万ドル(7080万円)の罰金が言い渡された。
商品先物取引委員会の、ダニエル・ネイサン氏はこう語っている。「これはまるで、証券マンが客に電話して、IBMの収益が記録的に良かったから、IBMを買え、と言っているようなものです。そんなニュースは、既に株価に織り込み済みです。寒い冬が来るから灯油を買え、夏休みのドライブ季節が近いからガソリンを買え。よく聞くセールスピッチですが、そのようなありきたりな情報は、誰でも知っていることです。」
季節的なニュースが頻繁に利用されるのは、今が絶好のチャンスだ、といった切迫感を作り上げるためだ。一昔前なら、セールス担当者は電話をかけまくったものだが、最近は何千というメールを携帯電話に送ることができる。今も昔も変わらないのは、投資知識の浅い人たちが狙われることだ、と弁護士のデービッド・チェース氏は言う。
証券マンがよく使う手は、セールストークに「時の言葉」を入れることだ。一時、「鳥インフルエンザ」、という言葉が毎日のようにニュースで流されたことがあった。「ABCD製薬は、鳥インフルエンザのワクチン開発の最終段階に入っています」、といった感じで客に迫るわけだ。
その他にも、北朝鮮の核実験、テロリズム、ハリケーン、津波、地震、肥満問題、とにかく証券マンの使えるテーマは腐るほどある。皆さんも用心しよう。
セールストークに説得力を付けるために、CNNやAP通信からのニュースを使うことは、何も昨日今日に始まったことではない。しかし、今年の7月以来、そんなセールストークを使っていた、南フロリダの先物専門会社数社に4000万ドルを超える罰金が科されている。
2003年が終わろうとしていた頃、ユナイテッド・インベスターズ・グループのセールス担当者が、ランズィー・ウィリアムズ氏に、こう持ちかけた。「灯油のオプションが、とても魅力的になってきました。報道されているように、イラクではオイルパイプラインの破壊行為が目立っています。それに、東海岸北部の州は例年より寒くなりそう、という予報も出ています。」
当時米軍で訓練を受けていたウィリアムズ氏は、イラクのパイプライン破壊に説得され、さっそく5000ドルで灯油オプションを始めた。その後、更に同社の別なセールス担当者を通して、1万7000ドルで為替投資にも手を広げた。結果は、合計投資金額の2万2000ドル(259万円)を全て失った。
判決は、ユナイテッド・インベスターズ・グループの負けだ。イラク戦争などの、世間一般に知れ渡った誤解されやすい情報を使って、セールス担当者はウィリアムズ氏を惑わせた、として14万6350ドル(1726万9000円)の損害賠償と、60万ドル(7080万円)の罰金が言い渡された。
商品先物取引委員会の、ダニエル・ネイサン氏はこう語っている。「これはまるで、証券マンが客に電話して、IBMの収益が記録的に良かったから、IBMを買え、と言っているようなものです。そんなニュースは、既に株価に織り込み済みです。寒い冬が来るから灯油を買え、夏休みのドライブ季節が近いからガソリンを買え。よく聞くセールスピッチですが、そのようなありきたりな情報は、誰でも知っていることです。」
季節的なニュースが頻繁に利用されるのは、今が絶好のチャンスだ、といった切迫感を作り上げるためだ。一昔前なら、セールス担当者は電話をかけまくったものだが、最近は何千というメールを携帯電話に送ることができる。今も昔も変わらないのは、投資知識の浅い人たちが狙われることだ、と弁護士のデービッド・チェース氏は言う。
証券マンがよく使う手は、セールストークに「時の言葉」を入れることだ。一時、「鳥インフルエンザ」、という言葉が毎日のようにニュースで流されたことがあった。「ABCD製薬は、鳥インフルエンザのワクチン開発の最終段階に入っています」、といった感じで客に迫るわけだ。
その他にも、北朝鮮の核実験、テロリズム、ハリケーン、津波、地震、肥満問題、とにかく証券マンの使えるテーマは腐るほどある。皆さんも用心しよう。