共和党の勝利なら大手製薬会社、民主党の勝ちなら代替エネルギー銘柄が行ける、と熱心に議論されている。なんと言っても火曜が投票日、どこのチャンネルも一番の話題は中間選挙だ。そんなわけで日陰に入る形になってしまったが、一つ面白い広告が三日ほど前に出た。
「今が住宅売買絶好のチャンス」、というセンセーショナルな見出しで、全米不動産業協会は4000万ドル(47億2000万円)を投じて、一大キャンペーンを開始した。とにかく、下降する住宅市場に歯止めをかけたい。そんな意図が明白だが、この広告内容に対する批判だ出始めている。ザ・ビッグ・ピクチャーに要点が記されているので、さっそく見てみよう。
この広告を読んで直ぐ分かることは、完全なウソではないとしても、一つ一つの文が誤解されやすい。そこで、広告の主張と事実を比べてみた。
広告:今日の金利は40年ぶりの低金利だから、一生に一度しかない住宅購入チャンスだ。
事実:40年ぶりの低金利だったのは、今日ではなく2003年だ。当時1%だったフェデラルファンズ(短期金利)は、現在5.25%になっている。2003年、平均的な不動産ローン金利は5.125%だったが、今日の利率は7%を超えている。
広告:現在375万の家が売りに出されている。これだけ豊富な戸数だから、買い手は本当に気に入った住宅を見つけることができる。
事実:住宅売上数の下降、そして建築業者による住宅の建てすぎが、現在の有り余る戸数の原因だ。去年と比較すると、住宅販売数は16.5%ほど減少している。経済学の基本が教えるように、供給が増えすぎると価格は下がる。また、豊富な戸数が売りに出ているということは、買い手はあれこれと選り好みするから、売り手には厳しい状況だ。
広告:8月の住宅販売数は4.3%上昇し、来年は住宅価格も上げ基調に戻るだろう。
事実:住宅中間価格の下げが相変わらず続き、販売数も下降している。データを見る限り、来年住宅価格が上昇する、という根拠はどこにも無い。
広告:前連銀議長のグリーンスパン氏は、米国住宅市場に回復の兆しが見えると最近語っている。最悪の事態は既に過去のものとなり、第4四半期の住宅売上数は好結果になりそうだから、2006年度は史上3番目に相当する住宅売上数になるだろう。
事実:売上数だけに焦点をしぼるのは誤解をまねきやすい。肝心なのは現在のトレンドを把握することだ。子どもの数が増えれば子ども服の売上数が上がるように人口が増加しているアメリカだから、とうぜん住宅の売り上げ数も上がる。販売数ばかりが強調されるが、こんなデータがある。2005年の9月と、今年の9月を比べると、ローンの支払いができなくなり、差し押さえられた住宅数が63%も増えている。
なぜローンの支払いができなくなってしまったのだろうか?執拗な金利引き上げで、変動利率不動産ローン金利が大きく上がったのが、原因の一つだ。そう言えば、グリーンスパン氏も変動利率不動産ローンを勧めていた一人だったことを思い出す。
その他にもまだ例が挙げられているが、必死な米国不動産業者の姿がうかがえる。
Monday November 6, 2006
US Market Recap
焦りが顕著になった不動産業者
Stocks You Need To Know About
米国住宅市場
住宅の話をしたついでに、このセクター指数を見てみよう。
赤い線は、長期トレンドを示す200日移動平均線、そして黒は中期トレンドの50日移動平均線だ。金曜、住宅セクター指数は50日移動平均線に接触して引けたが、既に上昇する短期トレンドラインを割っている。このチャートを見る限り、あまり明るい将来ではなさそうだ。
赤い線は、長期トレンドを示す200日移動平均線、そして黒は中期トレンドの50日移動平均線だ。金曜、住宅セクター指数は50日移動平均線に接触して引けたが、既に上昇する短期トレンドラインを割っている。このチャートを見る限り、あまり明るい将来ではなさそうだ。
Current Topics
一つ気になること
下のチャートは、S&P500指数に属する銘柄の、何パーセントが200日移動平均線より上にあるかを示したものだ。
また75%付近が壁になり、下げが始まっている。焦点は68%で下げ止まるかだ。5月に68%を割っているが、下のチャートで分かるように、それと同時にS&P500指数も下落となった。
また75%付近が壁になり、下げが始まっている。焦点は68%で下げ止まるかだ。5月に68%を割っているが、下のチャートで分かるように、それと同時にS&P500指数も下落となった。