Thursday November 2, 2006

US Market Recap

グローバル化の弊害

グローバル化の暗い側面を知りたければ、日本を見るのが一番早い、と経済コラムニストのウィリアム・ぺセック氏は言う。暗い側面?嫌な経済問題に、日本は襲われているのだろうか?ぺセック氏の話を要約しよう。

6カ月前、投資家たちの話題といえば、長いこと低迷していた日本経済の復活だった。去年、日経225は40%の上昇を記録し、誰もが世界第2位の経済国家が、前線に戻ってきたことを確信した。しかし、そんな期待を裏切るように、今年ここまでの日経の成績は、たったの1.8%増だ。さすがに浮かれたムードは消え失せ、慎重な楽観論に変わっている。

なぜ去年の快挙が続かないのだろう?米国経済の冷えこみ、高オイル価格、北朝鮮核問題などをあげる人たちが多いが、モルガン・スタンレーのチーフ・エコノミスト、スティーブン・ローチ氏は「グローバル化」が原因だと言う。

ある意味では、90年代、日本の政治家、企業経営者たちは明確な方針に基いて行動していた。業界の自由化、そして日本市場を世界に開放することを拒み、国民からの税金や国債発行に頼って、従来のやり方を続行させた。だが、中国の台頭が全てを変えた。

現在の日本は、回復の段階から成長の段階へ移っている。しかし、驚くことに個人消費が中々上がらない。ここまでの成長を支えてきたのは、企業の投資と輸出だが、これらの多くは中国に向かっている。

もし日本の将来が、政府関係者たちが言うように明るいなら、なぜ国民は金を使わないのだろう?ローチ氏は、こう説明している。「これは間違いなく、グローバル化のパラドックスが表面化した、と言うことができる。強力な世界の労働市場が、先進国から利益を吸い取っている。」

以前は、先進国が貧しい国へ行って、安い労働力を利用したが、今は違う。アウトソーシングが当たり前になり、インドや中国に次々と先進国は職を奪われている。正に、グローバル化の暗い側面だ。終身雇用の崩壊、不安定な国民年金制度、高齢化する社会、強力な海外労働市場は、今後も日本にとって脅威になるだろう。

もちろん、だからといって、また日本がデフレに襲われる心配をする人はいない。健全な銀行、優れた企業収益、国際情勢に敏感な政府関係者たち、現在の日本には90年代の面影は無い。

日本は、単に経済回復から成長を目指すだけでなく、生産性を更に向上させて、個人所得を上げる必要がある。雇用問題を解決するためにも、政府は起業家の育成に役立つ環境作りにも力を入れるべきだ。しかし、新内閣が先ず宣言したのは「経済成長」だから残念な話だ。

Stocks You Need To Know About

全て同じ味!?

フルーツ・ドリンクのハンセン・ナチュラル(HANS)は売りだ、とジム・クレーマー氏(ストリート・ドット・コム)は言う。「色々な種類があるが、どれを飲んでも味は同じだ」、とも付け加えているが、日足チャートを見てみよう。

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今のところ、ギャップゾーンの底辺に支えられている。29ドル75セントを割るようなら、売り圧力が増すことだろう。

Wall Street English

減速する米国経済

10月分のISM指数(以前は全米購買指数と呼ばれていた)は、52.9%だった9月から51.2%に下落し、約3年半ぶりの低水準を記録した。不振の原因について、エコノミストたちはこう語っている。

The weakness was most likely to do the weak housing and auto sectors, and said conditions were not likely to improve quickly.

弱い数値は、低迷する住宅市場と自動車産業の影響を反映し、この状態から早急な回復は考えられない。

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