AP通信の報道によると、大手証券会社モルガン・スタンレーは、積極的にニューヨーク・タイムズ(NYT)を買っている。既に集めた株数は全体の7.62%に相当し、7月は6.6%の比率だったというから、真相はさておき、とにかく買ってみよう、と個人投資家たちも動き始めた。
割安を理由に、モルガン・スタンレーはニューヨーク・タイムズを買っているようだが、ここで週足チャートを見てみよう。
全体的な流れは、矢印の方向が示すように下向きだ。しかし、7月の終わり頃から横ばい状態になり、AP通信などの報道がキッカケになり、NYTは今週このレンジから飛び出た。それでは日足チャートに移ろう。
木曜の大陽線の高値を抜いたら買ってやろう、という強気なやり方もあるが、ストキャスティクスは買われ過ぎゾーンだ。上昇する短期トレンドラインへの、値戻しを待った方が良いだろう。
攻撃的な人なら、こんなことを言うだろう。「ただ値戻しを待つのは面白くない。よし、短期トレンドラインを目標に空売りだ。」下は30分足チャートだ。
前日の高値が壁になって、弱気なローソク足ができている。だから、空売りはこのローソクの安値割れがエントリーポイントだ。もちろん、逆に前日の高値を超えるようなら、直ぐ損切らなくてはいけない。下の上昇する赤いラインは、目標になる日足に走るトレンドラインだ。ストキャスティクティクスも買われ過ぎレベルだから、NYTが一時的に下がる可能性を示している。
上記したように、モルガン・スタンレーがニューヨーク・タイムズ(NYT)を買っている理由は「割安」だからだ。本当に割安かどうかを確かめるには、現在の株価と正当評価額を比べる必要がある。
8人のアナリストたちの意見を総合すると、ニューヨーク・タイムズは向こう3年間で、8.5%の一株利益上昇が見込まれる。売上、キャッシュフローなどの他要素も含めて計算すると、NYTの正当評価額は26ドル56セント、ということだから、現在の株価(23ドル76セント)は割安だ。
NYTの競争相手を見てみよう。先ず、経済ニュースで有名なダウ・ジョーンズ社の現株価は33ドル94セント、そして正当評価額は21ドル98セント。ニュース・コープの金曜終了値は21ドル59セント、そして正当評価額は19ドル32セントだ。
他社と比較しても割安なNYTだから、アナリストは買い推奨を出している、と思うかもしれないが、買いを勧めるアナリストは一人しかいない。だからと言って売り推奨が多いわけではなく、ほとんどのアナリストは「ニュートラル」、という煮え切らない態度を示している。
株が割安なのは、人気の無い証拠だ。はたしてモルガン・スタンレーのNYT買いニュースは、今週も効き目があるだろうか。注目してみたい。
Monday October 16, 2006
US Market Recap
ニューヨーク・タイムズを少し分析
Stocks You Need To Know About
スタンダード・アンド・プアーズ社は
マイクロソフト(MSFT)の格付けを、星5つ(強い買い)から星3つ(ホールド)に引き下げた。日足チャートには、失速が顕著な上ヒゲができている。MACDのヒストグラムは、株価とは反対に既に下げ始めているから、利食うには良い機会だ。
Wall Street English
我慢の時
好調なマーケットが続いているが、投資アドバイザーのデービッド・ランドリー氏は、こんなことを言う。
There aren't that many meaningful setups.
良いチャートパターンは、そんなに多くありません。
では、どうするべきか?
Remain patient. On the next pullback we should see a plethora of setups.
今は辛抱してください。次の押し目では、大量な良いパターンが見つかるはずです。