新高値を達成したダウ指数、S&P500も5年半ぶりの高値だ。「乗り遅れた!」、と悔やんでいる投資者に、「ベータ」の利用を勧めるのは、経済コラムニストのジム・ジューバック氏だ。「この調子で行くと、第4四半期も健全なラリーが期待できそうです。皆さんは、十分にベータを活用していますか?」何の事だろうか?ジューバック氏の話を続けよう。
「もし皆さんも私のように強気な見方なら、今こそベータを再検討する良い機会です。株の世界に、100%確実なものはありませんが、ベータを活用することで、次のマーケットラリーに乗り遅れることを防ぐことができます。繰り返します。あなたのポートフォリオがベータ不足なら、またラリーを逃すことになるでしょう。
さて、ベータとは何でしょうか?近代の金融理論によれば、投資ポートフォリオは、二つの要素に影響されます。先ず、ベータと呼ばれる、マーケット全体の方向性、そしてアルファと呼ばれる個人の投資技術です。MSNなどで、ベータは簡単に見つけることができます。たとえばマイクロソフトですが、右下の方にベータが記されています。
ベータは各株のボラティリティ(株価変動率)を、マーケット全体のボラティリティと比較したものです。マーケット全体、というのはS&P500指数を示し、このベータは常に1です。ベータ値の高い銘柄は、上げ相場においての上昇幅が大きくなり、下げ相場においての下降幅も大きくなります。
実例をあげましょう。9月のラリーで、S&P500指数は2%の上げでした。この間、ベータ値が1.1だったディズニーは4%の上げ、そしてベータが1.43だったAT&Tは5%の上げを展開しました。5月、6月の低迷マーケットでは、S&P500指数は8%下げました。ベータが2.21だったインテルは12%の下落、そしてベータが4.01だったNvidiaは37%の大幅下げとなりました。
ベータ値の低い銘柄は、マーケットよりも株価変動率が少なくなります。たとえば、春、マーケットは8%下げましたが、ベータが0.36だったウェルズ・ファーゴー銀行は3%の下げ幅でした。ベータが0.59だったペプシコーラは、±0という結果でした。」
強気なジューバック氏だが、第4四半期にラリーが見込める理由は5つある。
1、金利の安定とオイル価格の下降。
2、二桁の成長が見込める企業収益。
3、9月の好調なマーケットで、ファンドマネージャーは豊富に持つ現金を株式市場に投入する。
4、いまだに膨大な空売り残があり、この空売りの買い戻しが上昇に弾みをつける。
5、歴史的に、年末のマーケットは強い。