「愛されすぎた株は避けるべきです」、と言うのはシェイファーズ・インベストメント・リサーチのクリス・ジョンソン氏だ。先週、ビジネス・ウィーク誌のインタビューで語られた言葉だが、マイクロソフト(MSFT)、インテル(INTC)、そしてアップル・コンピュータ(AAPL)などの大型株が、氏の警戒リストに入っている。インタビューの要点を記そう。
「二回連続の金利据え置きで、マーケットは既に上げが始まっていますが、こんな状況でも慎重に調べれば、買える銘柄はいくつかあります。アップルが買えない理由ですか?今日のアップルには、2年前のような革新的アイディアがありません。これが決算に反映されるのは、時間の問題だと思います。
最近のマーケットは、特にダウ指数が、とても好調です。長期、そして中期サポートレベルから跳ね返り、見事なラリーを展開しています。2回の金利据え置きで、多くの投資者たちは、金利引き上げが終了した、と結論したようです。短期的に見ると、現在のマーケットは、買われすぎレベルに達していますから、そろそろ利益確定の売りが来るでしょう。もちろん、それは押し目買いのチャンスです。
投資心理を測定するために、プット・コール・レシオ、それにボラティリティ指数などを利用しますが、はっきりとしたシグナルを得ることができません。実際に投資家たちからアンケートも取りますが、これもはっきりしません。ですから、現在の状態を見る限り、投資者たちは極めて強気でもなく、かと言って弱気に傾いているわけでもありません。繰り返しになりますが、利食いの売りが、そろそろあるはずですから、短期的には買いの機会がやって来ます。
エコノミストやアナリストは、米国経済の減速を予想していますが、今日のマーケットはテクニカル要素に反応し、ファンダメンタルズを無視しています。ようするに、サポートラインやレジスタンスラインが重要視されているわけですから、テクニカル分析を怠ってはいけません。
狙える銘柄ですか?いぜんとして、テレコミュニケーション銘柄が有望です。テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にもテレコミュニケーション・セクターは優れています。具体的には、長距離電話会社のAT&T(T)です。」
一つ付け加えておこう。今朝、クリス・ジョンソン氏の警戒リストに入っていたアップルが格下げされた。格下げをしたのは、シティグループのアナリスト、リッチ・ガードナー氏だ。「収益が予想に達することは難しい」、と判断され、買い推奨からホールドに引き下げられた。まだ大引けまで時間があるが、アップルは2.7%下げて、74ドル87セントで取引されている。