1990年代、バブルと言えばナスダック市場のことだった。まったく利益の無い会社が、インターネット関連というだけで、一日で二倍になることが頻繁に起きていたから、とにかく異常だった。2003年から2005年は住宅バブル。現在、あちこちでバブルが弾け、住宅市場の冷えこみが顕著になっている。それでは、今日バブルが明らかなものは何だろうか?Money And Marketsのマイク・ラーソン氏の意見を紹介しよう。
マスコミがあまり取り上げないから、たぶん気がついている人は少ないと思う。今日、バブルが目立つのは国債だ。簡単に説明すれば、国債価格はインフレに大きく左右される。インフレの心配が無い状況なら国債は買われ、利回りが下がる。高インフレなら国債は売られ、逆に利回りは上昇する。
ここ数年間を振り返ってみよう。米国経済だけに限らず、世界経済は大きな伸びを展開した。住宅価格は、いまだかつて見たことの無いスピードで上昇し、オイルも1バレル25ドルから75ドルに達した。長期間、まったく冴えなかった金価格も2倍以上になり、消費者物価指数、そして生産者物価指数は明らかな上げ基調になった。その結果が、皆さんもご存知の17回連続の金利引き上げだ。
これだけ執拗な金利の引き上げだから、国債は大きく売られたことだろう、と思うのが普通だが、ほとんどの投資家は国債を売らなかった。そればかりか、国債の値段が下がるたびに買い足す動きも目についたから、現在の10年物利回りは4.6%しかない。(90年代の金利引き上げでは、利回りは6%を超えていた。)
インフレ問題があったにもかかわらず、なぜ国債は暴落しなかったのだろう?四つの事実がある。
1、アメリカは自分の稼ぎ以上の金を使う。
2、足りない分は国債を通して外国人から借りる。
3、経済をストップさせないように、政府は金の印刷を続ける。
4、以上三つの悪循環で、アメリカの赤字は増える一方。
連銀の金利政策など二の次だ。アメリカにとって一番怖いのは、外国人が国債を買わなくなることだ。もちろん、大量に売られるのも困る。説明したように、国債が売られると利回りが上がる。長期国債の利回りは、不動産ローンの利子を決めるから、長期国債利回り上昇は米国経済にマイナスだ。
もし、あなたの投資資金が長期国債に集中しているなら、その比重を減らしてほしい。長期国債の値段が10%下がると、毎年2回支払われる利子の2年分が消えてしまう。また、住宅市場が不安定になっているから、たとえ配当が良くても、不動産投資信託を避けてほしい。