ドッグズ・オブ・ダウ(Dogs of Dow)をご存知だろうか?言うまでもなく、Dogsは犬のことだが、それは成績の悪い株を意味する。1991年、「Beating The Dow」(マイケル・オヒギンズ著)、という本の中で紹介されていらい、ドッグズ・オブ・ダウは、今日も注目される投資方法の一つだ。
簡単に説明すると、ドッグズ・オブ・ダウには二つの条件がある。
1、株価は低迷し全く冴えない。
2、平均以上の配当金があること。
そんな株を買って、本当に大丈夫なのだろうか?先週木曜、ブルームバーグに、こんな記事があった。
二ール・へネシー氏は、「ドッグズ・オブ・ダウ」を実践する、希なファンド・マネージャーの一人だ。氏の指揮するヘネシー・トータル・リターン・ファンドは1億400万ドルの資金を運用し、最近12カ月間で+18%を記録している。これは、126ある同種ファンドの中で一番の成績になり、平均リターンの+4.9%を大きく上回っている。
ヘネシー氏が選んだ、ダウ指数に属する犬銘柄は、製薬会社のメルク、そして長距離電話会社のAT&Tだ。ここ1年間で、両銘柄とも38%以上の伸びだから、成績の悪い犬から優秀な犬に変身したわけだ。「退屈な投資方法ですが、着実に利益を上げています」、とヘネシー氏は言う。
ペイデン・バリュー・リーダーズ・ファンドも「ドッグズ・オブ・ダウ」を実践していたが、去年11月、それをやめた。広報担当のキンバリー・ティップトン氏によれば、投資成績があまりにもばらつくためだという。
モーニングスター社の、デービッド・カスマン氏は「ヘネシー氏のやり方は、自動的に利益を生むわけではありません」、と述べ、ヘネシー・トータル・リターン・ファンドに星二つ(下から二番目)の格付けをしている。「シャープ・レシオという指数があります。この指数が高いファンドは、ポートフォリオのバランスがうまくとれています。ヘネシー・トータル・リターン・ファンドのシャープ・レシオは0.74ですから、同種ファンドの平均値1.24を下回っています。これは、ヘネシーファンドが、一部の銘柄に集中投資していることを表し、投資の危険度も上がります」、とカスマン氏は付け加える。
分かりやすい「ドッグズ・オブ・ダウ」には、こんな利点がある。「10倍、20倍といった華やかなリターンはありませんが、ドッグズ・オブ・ダウは下げマーケットで力を発揮します。2000年から2002年のベアマーケットで、ダウ指数は23%の下落になりましたが、この間ドッグズ・オブ・ダウは1.6%の上昇です」、とヘネシー氏は指摘する。
簡単にドッグズ・オブ・ダウ銘柄を見つける方法を記しておこう。MSNを利用するのが一番早い。あとはチャートを調べて、買いのタイミングをとらえよう。