天然ガスの急落で、あるヘッジファンドが大損を出していることを昨日書いたが、それ以外にもオイルやガソリンの下げが顕著だ。USグローバル・インベスターズのフランク・ホルムズ氏によれば、8月の初め頃から、資金をオイル市場からハイテク株に移すヘッジファンドの動きが目立つと言う。
ハイテク株はナスダック市場に集中している。特に最近買われているのが半導体銘柄だ。ここ5週間を振り返ってみると、毎週インベスターズ・ビジネス・デイリー紙の業種別リストで136位だった半導体は、一気に33位まで駆け上っている。どこまで半導体銘柄が買われるかは分からない。しかし、下落するエネルギー価格は、インフレ懸念を薄れさせるから株には好材料、と言うアナリストが多い。
オイルの下げは頻繁に報道されても、現在の商品市場全体的な低迷を耳にすることは滅多に無い。株投資者だけに限らず、先物市場で投機する人たちも人気商品に集まる傾向がある。「人の行く、裏に道あり花の道」、という有名な言葉が本当なら、商品市場は買いチャンスだろうか?商品市場アドバイザーの、ジェーク・バーンスタイン氏は、こう語っている。
「商品市場のブルマーケットが終わり、以前輝いていたスターが、光を完全に失ってしまいました。歴史が教えてくれることは、マーケットの底が近い時、往々にしてリングにタオルが投げ込まれるものです。だから、長いこと低迷している商品や、急落した商品を調べてみることは時間の無駄ではありません。
先ず、人気商品投機に伴う危険の大きさを説明しましょう。たとえば、オイルが40ドルだった時に、5%の損切りを設定して投機すると、1コントラクト(1枚)あたりの損額は2000ドルになります。しかし、オイルが人気化して80ドルの時に、同じ損切り幅の5%で投機すると、損額は4000ドルになります。5000ドルから1万5000ドルの口座資金がほとんどの個人投機家ですから、人気商品で利益を上げるのは楽なことではありません。
3つの商品が狙えそうです。
1、綿: 2003年以来、下向きだった綿市場は、2004年の7月から横ばいが続いています。フラット・ベースと呼ばれる、平らな底がチャートに形成され、このパターンから大きな上放れが起きる可能性があります。
2、大豆: 2005年にラリーがありましたが、現在安値圏で推移しています。いったん動き始めると、派手な値動きになりますから、大豆は注目です。
3、カカオ豆(ココア): 2000年から2003年のブルマーケットを最後に、長いこと横ばいが続いています。これもブレイクアウトが狙えそうです。」
もちろん、綿、大豆、カカオ豆がブレイクアウトするかは分からないが、バーンスタイン氏はこう付け加えている。「ハリケーンや中東問題などがキッカケになって、またオイルが急騰する可能性があります。それは商品市場を刺激する結果になり、大豆などにも買いが広がるかもしれません。」