11月は中間選挙だ。ちょうど大統領任期の二年目に行われることから中間選挙と呼ばれるようになったが、上院議員の三分の一と、下院議員の全員が改選される。そこで、選挙と米国株式市場の関係を少し見てみよう。
ネッド・デービス・リサーチによると、株式投資は、大統領選挙の周期に合わせることが効果的のようだ。1888年、ベンジャミン・ハリソン大統領から今日までを見ると、こんな統計がある。大統領選挙の年、S&P500指数は平均で8.4%の伸びがあった。大統領選挙一年前の年は、S&P500指数は平均で11.0%の上昇を記録した。
さらに、大統領選挙一年前の年がマイナスになったことは、1940年以来一度もない。ということは、2007年は株にとって良い年になる可能性が高い。ネッド・デービス・リサーチの説明によれば、大統領選挙一年前が好調なのは、候補者を当選させるために、政治家たちが様々な経済案を議会で可決させようとするためだ。
それでは、今年のような中間選挙の年はどうだろうか?これもネッド・デービス・リサーチからの資料だが、平均すると3.3%の伸びがあるようだが、マイナスになる確率も半々ある。そして、特に悪いのが中間選挙の年の第3四半期(7月、8月、9月)だ。ネッド・デービス氏(ネッド・デービス・リサーチ社長)は、こう語っている。
「マスコミは、中間選挙の年の9月相場は悪い、と大々的に報道していますが、これは誤解を招きやすい表現です。9月、10月にマーケットが低迷するのは、ほぼ毎年起きることですから、中間選挙の有る無しは関係がありません。中間選挙の年を振り返ってみると、先ず1月に下げ、続いて5月、6月の下げ、そして秋の下げですから、今年はこのパターンにあてはまりません。
9月、10月が下げ相場になるためには、新たな悪材料が必要です。今年マーケットは既に、200人近い被害者が出たインドでの爆破事件、イスラエル/レバノン問題、ロンドンでのテロ未遂などのニュースを経験してきました。打たれ強くなっていますから、ここから大きく下げるにはそれ相当のニュースが要ります。断言はできませんが、私は9月のマーケットは皆が予想しているような下げは無いと思います。
来年は大統領選挙の一年前の年です。経済を好転させるために、大統領は色々な計画を発表することでしょう。ひょっとしたら、来年早々に金利が引き下げられるかもしれません。歴史を振り返ると、連銀は最後の金利引き上げから6ヵ月後に金利を下げる傾向があります。」