1989年、証券取引所に初めて足を踏み入れた時、ピーター・ストルサー氏は相場の世界で一生食っていこう、と決心したそうだ。2001年まで証券会社で営業部長を務め、2002年、フルタイムのトレーダーに変身した。短期売買が中心のストルサー氏、いったいどうやって銘柄を選んでいるのだろうか?少し話を聞いてみよう。
「私はデイトレードやスイングトレードが専門ですから、とにかく速く株価が動いてくれないと困ります。ファンダメンタルズがとびきり優れた銘柄で口座をいっぱいにすることもできますが、ダラダラと横ばいされてしまっては食べていくことができません。
値動きが良い株を見つけるには、テクニカル分析が役立ちます。例を挙げましょう。200日移動平均線はトレーダーや投資家に広く活用されていますが、今日の位置と100日前の位置を比べてください。買いを考えているなら、今日の位置は100日前より高くなくてはいけません。移動平均線はトレンドを確認するために使われますが、ADX(アベレージ・ディレクショナル)でもトレンドの強さを見ることができます。もしADXが30以上の数値なら、強いアップトレンド/ダウントレンドを表します。」
勢いがある株を見つける方法として、ストルサー氏はいくつかの条件を挙げている。
1、ブレイクアウト/ブレイクダウン
最近10日間の高値/安値を更新した銘柄を調べること。ブレイクアウトは買い手を呼ぶ結果になるから、上昇速度に弾みが付きやすい。
2、ギャップ(窓)
一方的な勢いを示すのがギャップだ。ギャップアップの場合は、単に前日の終値より高く寄付くのではなく、前日の高値より高く寄付く銘柄を選びたい。ギャップダウンの場合は、前日の引値より安く始まるだけでなく、前日の安値より低く寄付くものに焦点を合わせたい。
ギャップが出来た日だけに注意を払うのではなく、数日間その銘柄を追ってみよう。直ぐに崩れてしまうこともあるが、しばらく横ばいして更なるブレイクアウトになることもあるから、忘れずに注目リストに入れておこう。
ギャップといえば、デイトレードネットの馬渕氏の得意技だ。興味のある方は「ブレイクスキャン・ドット・コム」を見ていただきたい。
3、グリーンライン(陽線)/レッドライン(陰線)
安い冴えない寄付きでも、終わってみたら長い陽線になっていることがある。特に安値圏で、前日のローソク足を包む陽線は注目だ。逆に、高く勢いよく始まっても、長い陰線で引ける時も注目だ。トレンドの転換になる可能性がある。
「一つ注意したいことがあります」、とストルサー氏は付け加える。「ADXなどでトレンドを確かめることができますが、肝心なのは指標ではなく値動きです。指標に頼りすぎて、大切なローソク足を見なくなってしまう人がいるので気をつけてください。」