インテルのリストラが発表され、約1万500人が職を失う。解雇通知を受け取るのは辛い。それだけに会社側は、それなりの態度で、社員に解雇を言い渡す必要がある。しかし、CNNの報道によれば、解雇というデリケートな問題にもかかわらず、会社側のマナーがあまりにも悪いようだ。
「まったく信じられません」、とデール・クラムフォース氏(WJMアソシエーツ社)はあきれ返っているが、先週こんなことがあった。電気製品を販売するラジオ・シャック社は、400人を解雇したのだが、どのように社員に知らせたか察しがつくだろうか?正解はEメールだ。たしかにメールは便利だが、礼儀を欠いているとは思わないだろうか。毎日8時間、会社のためにつくしてきたのだから、上司から一言も無く、いきなりメールで「さよなら」では失礼だ。
メール以外にも、次のようなマナーの悪い方法が使われている。
いつもと同様に会社へ行く。9時に仕事を始めて5時に仕事を終える。帰宅すると、会社からフェデックス(宅配便)が届いている。何かと思って見ると、中に入っているのは解雇通知だ。なぜ上司は、会社で何も言ってくれなかったのだろう?いったい私を何だと思っているのだ!
体育館のような大きな会議室に、社員たちが呼び出される。入り口で色のついたカードが渡され、色別に社員たちが二つのグループに分けられる。一グループは仕事場に戻るよう指示され、もう一つのグループは上司の後について、正面玄関を通って外へ出る。そこで上司が一言。「会社の方針により、皆さんには辞めてもらうことになった。今後の皆さんの幸運を祈ります。」それだけ言うと、上司はサッサと社内へ戻って行く。
合併が決まった会社では、よくこのような手が使われる。トップが入れ替わり、会社方針も変わったから、社員はいったん解雇され、もう一度入社試験を受けることを言い渡される。最初から辞めさせるのが目的だから、入社試験を受けても、採用される可能性は低い。
警備員が利用されることもある。私服の警備員が、解雇通知を持って突然現れる。まったく感情の無い声で、社員は15分以内に荷物をまとめるように言い渡される。手早に箱へ荷物をつめ終わると、警備員は社員に付き添って外へ出る。まるで犯罪者扱いだから怒りをおぼえることだろう。
デール・クラムフォース氏によれば、上記のような方法で解雇された人たちは、次の職を見つけるのに非常な苦労をするそうだ。もう一つ付け足したいのは、他の社員たちに与える悪影響だ。同僚が非道な方法で解雇されたら、あなたはどう思うだろうか?そんな会社で本当に全力をつくすことができるだろうか?