アナリストを株投資にうまく使う方法はないだろうか?マネー誌のマイケル・シビー氏は、こんなことを述べている。「買い推奨、売り推奨、と毎日忙しいアナリストですが、特に大型優良銘柄に出される推薦はあまりパッとしません。もちろん、それだけの理由でアナリストを完全に無視することはありません。なぜなら、賢いアナリストの利用法があるからです。
大型優良銘柄の買い推奨がパッとしない原因は何でしょうか?一番の理由は、大型優良企業を追っているアナリストの数が、あまりにも多すぎるためです。ありとあらゆる情報がチェックされ、正に調べつくされていますから、新材料を見つけることは先ず無理です。
もう一つの問題は推奨が出されるタイミングです。個人投資者たちは、どのようにして買いや売り推奨ニュースを得ているでしょうか?ほとんどの場合、CNBCなどの株番組やインターネットが情報源です。頭に入れておいてほしいのは、今朝買い推奨が出たからといって、それが今朝初めて出されたとは限らないのです。場合によっては、既に数週間以上も前に出されている可能性があります。(注:とうぜんながら、大衆が一番最後に格上げニュースを入手する。重要な発表は、先ず機関投資家などの優先客に公表される。)
格上げは、新資金を流入させる結果になりますから、株にとって好影響です。しかし、単なる格上げよりも更に強力なものがあります。それは、アナリストによる収益上方修正です。ザックス社のアダム・コーエン氏は、こう述べています。「アナリストによる収益上方修正は、企業の来年度の利益が伸びる可能性が高いだけでなく、長期的な収益上昇スピードも加速することが予想されます。それに、一人のアナリストが収益上方修正を発表すると、他のアナリストも後を追うように収益上方修正をする傾向があります。」
それでは、具体的にどんな銘柄が狙えるのだろうか?シビー氏は次の二銘柄をあげている。(注:これらは投資アイディアであり、買い推奨でないことをお断りしておきたい。)
FedEx(FDX):5月31日に終了した会計年度の収益は25%増だった。FDXは宅配会社だが、特別料金を設けて、急騰するオイル問題を適切に解決した。今後の課題は2004年に買収した印刷・コピー店のKinko'sの収益を改善することだ。
メリルリンチ(MER):大手証券会社メリルリンチの第2四半期収益は、44%の大幅な伸びを記録した。停滞気味の株式市場の影響を受けて、まだMERの株価は4月の高値から14%ほど下だ。2007年度の予想収益を使って計算した株価収益率はたった10.1だから、割安な株価も魅力だ。