神は六日間で天地万物を創造し、七日目に休んだ。しかし、連銀が金利引き上げを停止するには二年の月日がかかった、と経済コラムニストのキャロリン・バウム氏は言う。この停止は単なる一時停止なのか、それとも金利引き上げ政策が完全に終了したのかは、現時点ではだれにも分からない。
次々に発表される、大手証券会社のアナリストたちの意見を読んでみると、考え方は二つに分かれる。先ず、ゴールドマンサックスのジャン・ハットズィウス氏が述べる、「金利引き上げサイクルは終わり、連銀は来年早々に金利を引き下げる」、というもの。そして、ベアスターンズのエコノミストが主張する、「今回の停止は単なる一休みで、連銀は早ければ10月に再び利上げを実行する」、という見方だ。
どちらにしても、18回連続の金利引き上げが無かったことは事実だから、私たちの投資姿勢も変える必要があるだろうか?そんな質問に対する回答が、いくつかビジネスウィーク誌に載っているから、さっそく見てみよう。
マーケットは不透明感を嫌う。米国経済は減速の兆しが見え、先日発表された声明の中でも、「インフレ圧力は減退するだろう」、と連銀は述べている。しかし、この景気冷え込みが、どの程度企業収益に悪影響をもたらすかがハッキリしない。連銀はインフレに対して楽観的な見方を示しているが、連銀の見解が間違っていることも考えられる。
インフレ、米国経済、それに企業収益の三つに、明確な見通しがたたない今日、投資者は攻撃的な投資をするのではなく、守りを固めることが重要だ。「警戒姿勢を崩してはいけません。強い向かい風ですから、マーケットは方向性の無い横ばい状態が続くことでしょう」、とスタンダード・アンド・プアーズ社のアレック・ヤング氏は言う。
どのセクターに投資するべきだろうか?中東問題、数日前はBPアラスカ油田閉鎖、ということで引き続きエネルギー・セクターが狙えるようだ。エクソン、シェブロンなどの大オイル会社は既に高値をつけているが、まだ割安なオイル銘柄がある、とファースト・アメリカン・ファンズのデービッド・チャルプニック氏は言う。「アパッチ・オイル(APA)はまだ比較的割安です。現在オイル価格は76ドルほどですが、アパッチはオイルが45ドルに下がっても大丈夫です。」
7月31日、ワコビア証券のアナリストがヘルスケアセクターに関する好レポートを発表したように、ヘルスケア銘柄は保守的投資の代表だ。エリックバーデン氏(ファンド・マネージャー)によれば、コベントリー・ヘルスケア(CVH)、ユナイテッド・ヘルスグループ(UNH)、それにエトナ(AET)が魅力的だと言う。個別銘柄に投資したくなければ、ヘルスケアの上場投信、ヘルスケア・スパイダー(XLV)を買うのも一案だ。