8月、9月はハリケーンの季節だ。去年はカトリーナのおかげで、石油精製所の集中している、メキシコ湾岸州が大きな被害を受けた。おかげで全米のガソリン価格が値上がり、1リットル90円以下は昔の話になってしまった。そこで注目されるハリケーン銘柄だが、何を買ったら良いだろうか?もちろん、アナリストは既にあれこれと銘柄をあげている。しかし、いつもアナリストの話を聞くだけでは面白くない。
証券会社やファンド会社に勤務していなくても、個人投資者の中には、ユニークなアイディアを持っている人たちがいる。ブログでハリケーン銘柄を紹介している人も多いから、アナリストは幼稚なことが言えなくなった。経済コラムニストのジェームズ・アルツシャー氏は、ヤサー・アンワー氏のブログを土曜のコラムで取り上げた。
アンワー氏はカナダに在住する、ヨーク大学の学生だ。2004年から株を始め、メリルリンチで実務研修、そしてカナダの証券ライセンスも取得した。ブログで、アンワー氏は五つのハリケーン銘柄をあげている。アルツシャー氏は、「excellent(素晴らしい)」と形容したくらいだから読んでみる価値がありそうだ。
さて、肝心な五つの銘柄を見てみよう。全て小型株だ。先ず、ホーム・ソリューションズ(HSOA)、ゴールドフィールド(GV)、グローバル・インダストリーズ(GLBL)、インペリアル・インダストリーズ(IPII)、そしてブーツ&クーツ(WEL)だ。
ここで話題を今週の焦点に移そう。なんと言っても、火曜のFOMC(連邦公開市場委員会)が目玉だ。金利引き上げ無し、を期待するマーケット関係者が多いから、今回のFOMCは特に注目されている。世界最大の債券ファンドマネージャー、ビル・グロス氏も金利引き上げ無しを主張する一人だ。
グロス氏によれば、米国住宅市場の冷えこみが更に加速するようなら、連銀は2007年早々、金利を引き下げる可能性がある。これまでの歴史を振り返ると、連銀は金利を上げ過ぎる傾向があり、一番最後の利上げから6カ月後に金利引下げが始まる。
金利引き上げ一時停止論が主流になった一原因は、金曜に発表された雇用統計(7月分)だ。非農業部門新規採用者数は+11万3000と発表され、アナリストが予想していた14万2000に満たなかった。失業率も4.6%から4.8%に上がり、米国経済の冷えこみが見えている。
金利引き上げが終了すれば、マーケットは上昇基調に入るだろうか?投資戦略家の、バリー・ハイマン氏はこう語っている。「金利問題の心配が無くなるのは、投資者にとって嬉しいことです。しかし、マーケットの下げ基調は変わらないことでしょう。一転反落した金曜のマーケットが示すように、投資者たちは経済減速の現実に直面することでしょう。」