株式投資で成功するには、二つの鉄則がある。第一のルールは、決して資金を減らさないこと。第二のルールは、第一のルールを決して忘れないこと。これは、大投資家ウォーレン・バフェット氏の言葉だ。もちろん、損を絶対に出すな、と言っているわけではない。問題は、どんないきさつで損を出したかだ。
「株式市場には、損がつきものですから、投資者は損を100%防ぐことはできません。正しいやり方で失敗するのは仕方ありません。しかし、最悪なパターンでの損は絶対に出してはいけません」、と語るのはフール・ドット・コムのデービッド・マイザー氏だ。最悪なパターンでの損?氏の話を続けよう。
「資金を減らすな、とバフェット氏は強調していますが、これは短期的な口座残高の浮き沈みを指摘した言葉ではありません。最近のマーケットは、変動率が高いですから、とうぜん口座残高も影響されます。バフェット氏が言っているのは、株式投資参加不可能になるような、大きな穴を口座に開けるな、ということです。
こんな統計があります。個人投資家は、小型株(時価総額16億ドル未満)に集まる傾向があります。テレビやニュースレターで、頻繁に小型銘柄が推奨されますから、当たり前の結果かもしれません。ノースウエスタン大学の調べによれば、人気番組「マッド・マネー」で買いが推薦される小型株は、なんと12日間で6.6%の下落です。言うまでもありませんが、こんな買い推奨に2度3度と投資していると、損は急ピッチに増大していきます。
「マッド・マネー」を非難しているのではありません。人気番組で株が紹介されると、翌日買いが殺到し、株は一日で割高になってしまいます。これでは急落するのが目に見えています。先ずバフェット氏のように、銘柄を徹底的に分析しなければいけません。テレビで見た、という衝動的な買いでは、肝心な分析が全くされていません。これでは、株価が割高になっても気がつくことはないでしょう。
資金を減らさないためには、三つのことを実行する必要があります。1、銘柄を徹底的に調べること。2、割高になったら直ぐ売ること。3、割安になるまで買わないこと。」
ここで思い出すのが、木曜に起きたスターバックスの下げだ。アメリカは、異常な暑さに襲われている。冷たい飲み物が飛ぶように売れているから、スターバックスのコールド・ドリンク好売上を期待しての投資者が増えていた。しかし、会社からの発表は正反対だった。
スターバックスの売上7月分は、たった4%の伸びで、予想された6%から7%増に満たなかった。会社側は、こんな説明をした。「売上不振は、この猛暑です。フラップチーノ系のコールド・ドリンクにお客さんが集まりましたが、コールド・ドリンクはコーヒーより時間がかかります。そのため店内に長い列ができ、急いでいる人が店を避けたようです。」