マーケットがパッとしなくても、買収ニュースなら、株価は大きく跳ね上がる。どうやったら、買収ターゲットになりそうな銘柄を見つけることができるだろうか?投資アドバイザー、ハリー・ドマッシュ氏の方法を紹介しよう。
最近、二つの買収ニュースが大々的に報道されたが、この二つは同質な買収ではない。アドバンスト・マイクロ・デバイシーズ(AMD)が、ATIテクノロジーズ(ATYT)を買ったのは、あくまでも戦略的な理由だ。ATIの製品が手に入れば、AMDはライバルのインテルに、更に接近することができる。
投資グループが、病院を経営するHCAインク(HCA)を買ったのは、将来的に期待できる大きな利益だ。全く戦略的な買収ではないが、私たちが探し当てたいのはHCAのような銘柄だ。いったいHCAには、どのような魅力的要素が隠れていたのだろうか?言い換えれば、買収される銘柄には、どんな共通点が存在するのだろうか?
先ず指摘したいのは、企業サイズだ。IBMのような大企業では、投資グループによる買収など考えられない。最近買収された企業の時価総額を見てみると、ほとんどが10億ドルから50億ドルの間だ。
投資グループは、できるだけ短い期間で利益を上げることが目的だから、現在収益状況の悪い企業を避ける。ここで問題になるのが、株主資本利益率(ROE)だ。この数値がプラスなら企業が儲かっている証拠になり、急成長中の企業なら、ROEが15以上の高水準に達することもある。買収される企業には、少なくとも5以上のROEがある。
ROEが良くても、キャッシュフローが悪くては話にならない。そこで投資者は、株価キャッシュフロー倍率が20以下の企業に焦点を合わせることが大切だ。
株価にも十分注意を払わなくてはいけない。人気株は超割高レベルにあるのが普通だから、どんなに好企業でも、連日高値更新では買収ターゲットにならない。投資グループも、割安株を手に入れたいから、株価は最近5年間の高値から30%以上の下げていること、しかし高値から60%以上下げているものは無視する傾向がある。
更に、株価売上高倍率は2以下、アナリストによる格付け平均はホールド(買いと売りの真ん中)以上、向こう5年間の一株利益成長率は年間10%以上、しかし15%以下、そして負債株主資本比率は0.5以下であることが好ましい。
それでは、上記条件を満たす銘柄を記そう。
Applebee's International (APPB), Avnet (AVT), BJ's Wholesale Club (BJ),
Borders Group (BGP), Brunswick Corp (BC), Dollar General (DG),
Family Dollar Stores (FDO), Henry Schein (HSIC), Hewitt Associates (HEW),
J.B. hunt Transport Services (JBHT), JLG Industries (JLG), Komag (KOMG),
(注:これらの銘柄は買い推奨ではなく、投資の一アイディアであることをお断りしておきたい。)