7月、107.0だった消費者信頼感指数は、8月、99.6に下落した。ビジネスウィークの報道によれば、これほど極端に下がったのは、去年メキシコ湾岸州を襲ったハリケーン・カトリーナ以来初めてになる。このニュースを深刻に受け取ったのは小売業界だ。消費者がこう悲観的では、クリスマスの売上が予想以下になってしまう可能性がある。
小売業界にとって、クリスマスギフトを中心にした年末の売上は重要だ。約40%の年間売上は年末に集中しているから、ここで消費者が倒れてしまったらどうしようもない。8月の売上は、年末の売上を予想するために使われるが、1ドル均一の安売り専門店から、高級品を扱う店まで、どこも8月は満足な結果でないようだ。
やはりアメリカは不景気に陥るのだろうか?たしかに、国内総生産や住宅市場には冷えこみが見えるが、消費者は本当にデジカメ、大画面薄型テレビ、それにビデオゲームなどを買わなくなってしまうのだろうか?ウェルズ・キャピタル・マネージメントのマーケット戦略家、ジェームズ・ポールソン氏はこう語っている。
「住宅市場の落ち込みは否定しませんが、商業用不動産は現在も好調です。それにサービス業や製造業も健全な状態ですから、雇用状況がいきなり大きく悪化することはありえません。更に、平均労働時間も長くなっていますから、消費者の収入は増えています。
アメリカが不景気になることはありません。連銀は17回連続で金利を引き上げましたが、現在の5.25%は歴史的に見て、まだ低い水準です。安いドルも好材料です。海外へ輸出される米国製品の需要増大に結びつきます。また、米国企業は多額な現金を保有していますから、少し経済が下向きになった程度では企業に痛手を与えることはできません。」
米国経済に大した心配がないなら、これから積極的に株を買えるだろうか?経済コラムニスト、マイケル・ブラッシュ氏の意見を紹介しよう。
「8月から10月の半ばにかけて、テクノロジー銘柄は低迷する傾向があります。しかし、今年は例外になるかもしれません。理由はテクノロジー銘柄の空売り残があまりにも多いのです。ですから、空売りの買い戻しがマーケットラリーの発端になることが考えられます。
有望な銘柄の一つはアカマイ・テクノロジーズ(AKAM)です。皆さんの中には、インターネットでワールドカップを見た人がいると思います。これには、アカマイのサーバーが使われています。スポーツだけでなく、アカマイの製品はアップル・コンピュータやマイクロソフトでも使用されています。
家庭には高速インターネットが急ピッチで広がり、オンラインでのビデオや音楽の需要はこれから益々増えることでしょう。それだけでなく、インターネット電話も普及していますから、これもアカマイに好材料です。もちろん、アカマイにはグーグルやヤフーの競争相手がいますから、サン・マイクロシステムズ(SUNW)の投資も面白いでしょう。」