韓国経済には一貫性がある、と経済コラムニストのウィリアム・ぺセック氏は言う。いったい、どんな一貫性だろうか?氏の話の要点を紹介しよう。
政府の役人には不本意なことだと思うが、韓国経済は期待を裏切り続けている。最近の実例を見てみよう。第1四半期、韓国の国内総生産は+1.2%を記録したが、第2四半期は、たったの+0.8%だった。これは2005年以来、最も弱い成長率だ。
勤勉な国民、高い生活水準、それに数々の難問を乗り越えてきた歴史を考慮すれば、韓国はもっと大きな成長を遂げていてもおかしくない。しかし、上昇するクルードオイル価格、そして世界的に上げ始めた短期金利が、韓国経済を不安定なものにしている。
2005年、54%の上昇を展開した株式市場も、今年は7%のマイナスだ。北朝鮮の核問題やミサイルを下げ要因に挙げる人もいるが、韓国政府は経済の活性化に苦戦しているから、投資者は積極的になれない。
韓国が、直ぐに不況やスタグフレーションに陥る可能性は先ず無い。しかし、アジア諸国の経済成長減速の前線に立つ韓国は注目だ。リーマン・ブラザーズのエコノミスト、ロブ・スバラマン氏はこう述べている。「アジア経済は、成長率下降の周期に入ったようだ。先日発表された韓国からのデータも証拠の一つだ。」
3月31日付けの資料によれば、中国は10%、そしてインドは8.4%のペースで経済が成長している。15年間の低迷を経験した日本も、安定した経済成長だ。全体的に見れば、アジア経済は、9年前の経済危機からは信じられないほどの成長を遂げている。
たしかに強いアジア経済だが、三つの問題がある。筆頭がオイルだ。今年に入って、クルードオイルは27%跳ね上がっている。韓国のように、ほぼ100%オイルを輸入しなければならない国にとって、オイル高は物価高を引き起こす。今までアジアの国々はオイル高に耐えてきたが、いよいよ物価高がアジア全域に広がりそうだ。
金利上昇も、経済に向かい風になるだろう。アメリカ、ドイツ、そして日本での金利引き上げ政策は、消費者信頼感を下げるはずだ。たとえば韓国だが、上昇するオイル価格と金利が原因になり、消費者信頼感は10カ月ぶりの低レベルに落ち込んでいる。
そして、三つめは米国消費者だ。中国、インド、そして日本は米国に大量な製品を輸出している。まだ現実化していないが、米国経済が冷え込んでしまえば、言うまでもなくアジア経済に悪影響だ。今アジアは、重要な局面に直面している。言い方を換えれば、経済の底力を実証する時が来たようだ。