Exchange Traded Funds、略してETFs、上場投信のことだ。以前はS&P500に投資するスパイダー(SPY)、それにダウ銘柄に投資するダイヤモンド(DIA)くらいしか聞かなかったが、今やアメリカン証券取引所に上場されているETFs数は160を超えた。
なぜ上場投信は長期投資者だけに限らず、デイトレーダーにも人気があるのだろうか?長期投資の主役は、いまだにミューチュアルファンドだ。しかし、ミューチュアルファンドは高いものだと申し込みの際に5%以上の手数料、そして毎年管理手数料もかかる。管理費は直接口座から引き落とされることはないが、ファンドに集まった運用資金から引かれるから、その分だけ配当金が減るわけだ。
ミューチュアルファンドに加入すると、投資金額に相当する株数が、ファンド会社から投資者に発行される。もし解約者が無く、申し込みだけだと、浮動株数は増え続けることになる。上場投信は株と同様に売買できる。上場されているわけだから、発行株数が変化することはない。手数料も、オンライン証券会社を利用すれば、ミューチュアルファンドより、ずっと割安だ。
デイトレーダーが上場投信を選ぶ理由は何だろうか?例えば上記したスパイダー(SPY)だが、以前ならS&P500指数の取引をしたければ、先物用口座が必要だった。しかし、スパイダーの登場で、証券会社の口座だけで指数取引が可能になった。
デイトレード用の銘柄には、一日の出来高が大切な要素になる。その点、スパイダーの一日平均出来高は9300万株もあるから、人気株グーグルの690万株を大きく上回っている。ダウ指数に連動するダイヤモンド(DIA)も900万株ほどあるから、デイトレードに支障は無い。
数日間株を保持する、スイングトレーダーにも上場投信は人気だ。オーバーナイトで株を持つスイングトレーダーにとって、格下げなどで起きるギャップダウンは悪夢だ。現に7月19日、収益関連ニュースでヤフーは2割近い下げで寄り付いた。
個別銘柄では、ヤフーのような極端な被害を起こす可能性があるが、スパイダーやダイヤモンドのように指数に連動する銘柄には、寄付きでの暴落は大きなテロ事件でも起きない限りありえない。それに個別銘柄は、アナリストによる格上げ格下げが頻繁だが、スパイダーを格上げ格下げするアナリストはいない。
上場投信には、160以上の種類があるから、きっと好きなものが見つかるはずだ。短期国債に興味があるならiShares Lehman 1-3 Year Treasury Bond Fund (SHY)、新興市場ならiShares MSCI Emerging Markets (EEM)、ナスダックのバイオテクノロジーならiShares Nasdaq Biotechnology(IBB)、日本株ならiShares MSCI-Pacific Ex-Japan (EPP)、とにかく豊富に揃っている。
詳しい上場投信の種類は、アメリカン証券取引所のホームページへ行って、左側のETFsのところをクリックしてほしい。ETFsの下にはHOLDRSがある。これも上場投信と全く同様だ。半導体セクターを追っている人なら、HOLDRSの人気銘柄、セミコンダクタHOLDRS(SMH)を利用すると良いだろう。