「強気!?本気ですか?どこのマーケットの話ですか?」、という反応ならまだ良い。下手に強気論など吐こうものなら、変人扱いされるだけだ。悲観論が浸透してくると、好材料が無視され、投資者は悪いニュースだけに耳を傾ける。おまけにテレビでは、イスラエルによるレバノン爆撃が繰り返し報道され、第三次世界大戦の可能性まで討論されている。
こんな状況だから、インターネット株バブルが崩壊した6年前と現在を比較する人が多い。たしかに、JDSユニフェーズは140ドルから2ドル、そしてルーセントは50ドルから2ドルまで下落したように、多数の銘柄が叩き売られた。「血の海」、という言葉でマスコミは株式市場を表現したくらいだから、口座に大きな穴を開ける投資者が続出した。
「今、持ち株を全て売る必要はありません。大切なことは、口座を大きな被害から守ることです」、とティム・ハンソン氏(フール・ドット・コム)は強調する。少し話を聞いてみよう。
「マーケットが下げ始めると、人気株を中心に投資していた人たちが、一番大きな被害を受けます。逆にコントラリアンと呼ばれる、大衆と反対の投資をしていた人たちは、うまく下げマーケットを切り抜けています。代表的な例では、資金を減らさないことを第一にしているウォーレン・バフェット氏です。
人気株を追わないバフェット氏の投資方法は地味ですが、着実に利益を上げています。もちろん完璧に氏を真似ることは無理ですが、私たちが実行できる簡単な一ルールがあります。それは、長期間にわたって、配当金を払い続けている銘柄を狙うことです。
プロクター・アンド・ギャンブル、P&Gを先ず好例としてあげることができます。P&Gは1890年以来、ずっと配当金を払い続けています。そうです、1890年からです。1990年からではありません。P&Gといえば、退屈銘柄の筆頭のように思う人もいますが、過去15年間、毎年14.5%の利益をあげています。ですから、15年前1万ドルだった資金は、今日7万5000ドルになっています。
他には、ホーメル・フーズ(HRL)が1928年以来、そしてマクグロー・ヒル(MHP)が1937年以来、配当金を払い続けています。過去15年間の成績は、ホーメルが年利で12%、マクグロー・ヒルが年利で16%のリターンですから、S&P500指数など比較になりません。」
バブルが崩壊したのは2000年だから、ここでP&Gを月足で2000年から見てみよう。
次はホーメル・フーズ。
そしてマクグロー・ヒル。
それでは、比較する意味で、人気株のヤフーを載せておこう。