Thursday July 20, 2006

US Market Recap

買える理由を探してみよう

悪いニュースなら山ほどある。中東問題、北朝鮮のミサイル、オイル、短期金利、それに不安な企業収益、これだけあったら株は買いにくい。その他にも、下降が続く住宅市場、そして個人消費減少の兆しも見えるから、株はますます買いにくい。

周期的な理由もある。ストック・トレーダーズ・アルマナックの資料によれば、過去18年間、8月はS&P500指数にとって最悪な月だ。ダウ指数やナスダック指数にとっては最悪な月ではないが、8月は二番目に悪い月だから、どちらにしても良い話ではない。

「特に夏は、買い手に不利なマーケットです」、と言うのはレッグ・メーソンのトム・シュレーダー氏だ。「弱いマーケットですが、この状態は秋まで続くものと思われます。」

正に先週のマーケットは弱さが顕著だった。三日間でダウ指数は400ポイント近い下げだったから、強気な人でも心配になったことだろう。「短期的に見た場合ですが、マーケットは明らかに売られすぎです。小さな反発が何度か起きることでしょうが、全体的な流れは変化しないでしょう。ですから、8月、9月は下げ相場です」、とハリス・プライベート・バンクのジャック・アブリン氏もシュレーダー氏に賛成だ。

と書いてくると、「秋まで休め!」、と言っているように思われるかもしれないが、現在のような状況でも株を買っている投資者は当然いる。どんな理由で買っているのだろうか?理由のいくつかを見てみよう。

こんなオイル高では株は買えない、という投資者が多い。たしかに、インドや中国でのオイル消費量が大きく増大し、中東問題もオイル価格に悪影響だ。しかし、BPの最高経営責任者、ロード・ブラウン氏はオイル価格は現在の75ドル台から40ドル台への下落を予想している。

インフレも株を買えない理由の一つだが、ここ12カ月間で、消費者物価指数は4.1%の上昇だ。動きの激しい食品とエネルギーを除けば、上昇率はたった2.4%になり、オイル価格が安定すれば、物価指数は3%以下に下がる可能性が十分にある。

それでは、アナリストは実際にどの銘柄を推薦しているのだろうか?半導体装置の大手、アプライドマテリアルズ(AMAT)が割安だという。現在の株価収益率はかなり低いから、超格安ということらしい。

鉄道のバーリングトン・ノーザン(BNI)を推すアナリストも多い。高いオイルが、この銘柄の買い材料だ。輸送手段としてトラックと鉄道を比べると、鉄道の方が圧倒的にエネルギーコストの面で優勢だ。現に最近の四半期を見ると、バーリングトン・ノーザンの輸送量は19%増えている。

P&G(PG)やゼネラルエレクトリック(GE)も買い候補に挙げられているが、アナリストの言うことには一つの共通点がある。「マーケットの低迷が続き、魅力的な株価に達している銘柄が目立つようになった。長期投資者にとって、割安な株を拾うことのできる環境が揃いつつある。」

Stocks You Need To Know About

ヤフー

買い手の優勢を示す下影が出来ているから、昨日の引け間際にヤフーを買った人たちがいたことだろう。悪い考えではないが、この買いには一つ間違いがある。

実はヤフー、昨日の引け後に決算発表をした。予想どおりの利益だったが、期待されていた新ビジネスプロジェクトが延期された。これでは第3四半期の収益に悪影響だから、今朝大きなギャップダウンでの寄り付きとなった。

スイングトレードをするなら、狙っている銘柄の決算発表日を必ず調べよう。

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Wall Street English

バーナンキ氏のコメント

連銀議長が議会で証言したが、要点はこれだ。

Federal Reserve Chairman Ben Bernanke said Wednesday that he was still concerned about inflation, particularly higher energy and commodity prices, but added that slowing economic growth should limit price pressures in the world's largest economy.

相変わらず議長は、インフレの心配をしている。特に気になるのが、エネルギーと商品価格だ。しかし、経済成長速度が落ちてきているから、物価上昇の抑制になりそう。

この意見を聞いて、投資者たちは金利引き上げ終了が近い、と受け取ったようだ。

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