感情的になるな、冷静さを失うな。成功しているトレーダーは、感情をコントロールできる。しかし、損の多いトレーダーは感情に支配されている。よく聞く言葉だ。たしかに、頭に血が昇ると見えるものも見えなくなってしまう。ある程度の緊張感はトレードにプラスだが、極端に興奮してしまったら、トレードはうまくいかない。トレーダーを、感情的にさせる要因は何だろうか?ビッグトレンド・ドット・コム社長、プライス・ヘッドレー氏の話を聞いてみよう。
「トレード心理の専門家、マーク・ダグラス氏も指摘していますが、ほとんどのトレーダーや個人投資家は、マーケットの次の動きを予測できる、と思っていますから、どうしても「勝ち」「負け」の結果だけを重要視してしまいます。そのため、「確率のゲーム」、というトレードが持つ基本的要素を見失い、不要な感情をトレードに引き込むことになります。」
少し説明しよう。教科書に載っているようなチャートパターンが目の前に現れると、トレーダーは絶対に勝てる、と錯覚してしまう。こうなるとトレードに力が入りすぎ、まかり間違って株価が逆に動こうものなら大ショック、ということになってしまう。だからヘッドレー氏は、勝率の高いパターンだけを選んで、株は「確率のゲーム」と割り切れ、と言っているわけだ。氏の話に戻ろう。
「不要な感情は、「恐怖」「不安」といった言葉に置き換えることもできます。損を出したらどうしよう、といった損に対する恐怖が、トレーダーを襲う最も一般的な不要な感情です。誰でも損をするのは嫌です。しかし、損に対する感情が異常に強くなると、体が凍ってしまい売買が執行できなくなります。よするに、引き金を引けない、という状態です。これでは絶好の買いタイミングを逃し、既に持ち株がある場合なら、損切りが出来ずに、ズルズルといたずらに損額を増大させます。
損を出したくない、という理由だけで引き金が引けなくなるのでしょうか?真の原因は、自分のトレード手法に自信が持てないからではないでしょうか?100%勝てる手法は存在しません。あなたとプロの違いは、プロは損切りが早く、資金管理が上手いだけです。
もし、あなたも中々引き金を引けない一人なら、トレードの勝ち負けばかりに気を取られていることを理解してください。ペーパートレードから始めて、自分の計画に沿ってトレードすることを身につけてください。繰り返しますが、トレードで最も大切なのは資金管理です。損を立て続けに出しても、一回一回の損額が小さければ、トレードで生き残ることができます。」
ヘッドレー氏は、更に三つの不要な感情について触れているが、忠告することは同じだ。勝敗ばかりを気にするな。忠実に自分の計画に従ってトレードしろ。そうすれば、自然と自信も生まれてくる。