株価は決して適切に動くことは無い、と言われる。予想以上に良い決算が発表されると、株は異常なレベルまで買い煽られ、著名アナリストによる格下げは、株価を一日で半減させてしまうこともある。こんな投資者たちの行動が証明していることは、圧倒的な買いは好材料発表直後に起きやすい、という事実だ。
コントラリアンと呼ばれる、逆張り投資家がいる。人の反対を行くやり方だが、だからといって全ての悪材料で買うわけではない。コントラリアンが興味があるのはニュースそのものよりも、感情的になった大衆が作り出す値動きだ。
「逆張りを中心にしたニュースレターで、ターンアラウンド・レターがあります。成績ですが、1988年から今日までを見ると、毎年平均で14.7%の利益を上げています」、と語るのはハルバート・ファイナンシャル・ダイジェストのマーク・ハルバート氏だ。比較のために一つ記しておこう。同期間、ウィルシャー5000指数(米国に上場されている株を全て含む総合指数)は、年平均で11.8%の伸びがあった。ハルバート氏の話を続けよう。
「最近問題になっているのが、経営陣によるストックオプションの行使です。公平な行使は、現行の株価を基準にして行われなければいけませんが、報道されたように、大手企業の経営陣たちは、日付をさかのぼらせてオプションを行使していたのです。
7月号のターンアラウンド・レターも、不公平なストックオプションの行使を批判しています。しかし、エディターのジョージ・パットナム氏によれば、不正な行使は許されるべきではないが、今回のストックオプション問題は、短期的に企業イメージを傷つけるだけにすぎない、とのことです。
多くのアナリストは賛成しませんが、パットナム氏は更にこう述べています。「経営陣による、不正なストックオプション行使のニュースは、株価を大きく下落させることになった。しかしながら、コントラリアンの立場から検討すると、これは買いのチャンスだ。」
ようすに今回のスキャンダルで、極端なレベルまで売り叩かれた銘柄の中に買いチャンスがある、とパットナム氏は言っているわけですが、実際にはどの株が良いのでしょうか?パットナム氏は、まだ買い推奨を出していませんが、現在検討中の銘柄として8銘柄あげています。さっそく紹介しましょう。アポログループ(APOL)、ブロードコム(BRCM)、ホームディポ(HD)、マカフィー(MFE)、メダレックス(MEDX)、マイクロソフト(MSFT)、オープンウェイブ・システムズ(OPWV)、そしてビテッセ・セミコンダクター(VTSS)です。」
おびただしい数のニュースレターがあるが、ハルバート氏によればターンアラウンド・レター以外にAPOLを推奨するのは2紙、BRCMは1紙、HDは14紙、MFEは2紙、MEDXは1紙、MSFTは16紙、OPWVは3紙、そしてVTSSは0紙、ということだ。