マーティン・ツバイクという名前を聞いたことがあるだろうか?「ツバイク ウォール街を行く」、という本が出版されてから、もうかなりの月日がたつが、この本に紹介されている株式投資方法は今日も有効だ、とハリー・ドマッシュ氏は言う。「2年ほど前、2004年8月11日のことですが、私はツバイク氏の方法を使って、実際に株を選んでみました。合計で17銘柄ですが、1年後の8月には一銘柄あたりの平均伸び率は40%でした。(S&P500指数は+15%)先月6月23日時点では、一株の平均上昇率は43%です。(S&P500指数は16%増)」
ツバイク氏は、投資心理を測定するプット・コール・レシオの考案者としても有名だ。ありとあらゆる経済指標と、株式市場の関係を徹底研究したツバイク氏、いったいどう銘柄を選んでいるのだろうか。もう少しドマッシュ氏に説明してもらおう。
「コンスタントに利益を上げている会社なら業種は気にしない、とツバイク氏は言いましたが、氏が最も重要視するのは長期成長率です。4年から5年を振り返って、年間利益が毎年15%以上増えていることが必要です。単に会社の総収益だけでなく、同様に一株利益も毎年15%以上の伸びがなくてはいけません。
長期的な成長率を確かめた後は、短期的な様子を見てみましょう。たとえ毎年15%以上の伸びがあったとしても、5年前は+70%、4年前は+25%、3年前は+20%のように勢いを失っている会社はダメです。最近の決算報告書に載っている一株利益は、過去5年間の平均一株利益の75%以上あることが必須です。
会社の総収益と、一株利益を見比べてみることも大切です。総収益が大きく上がっているにもかかわらず、一株利益があまり変わらないことがあります。これは何を意味するのでしょうか?こんな現象は、マージンが減っている時に起きます。逆に、総収益は変わらないのですが、一株利益が増えることがあります。これは、コスト削減による場合が多いですから、将来的には一株利益も下がることでしょう。
どんなに良い株でも、割高なものを買ってはいけません。割高割安を測るには株価収益率(PER)を用います。S&P500指数に属する銘柄の平均PERより50%以上高い株は避けるべきです。
マーケット全体と株を比較することも重要です。過去6カ月の動きを調べて、マーケットの上昇率を上回る株だけに焦点を合わせてください。
負債比率にも注意を払ってください。ツバイク氏は具体的な数値を本の中で示していませんが、業界平均より高い負債率を持つ会社は避けた方が無難です。
それから、最近の決算報告で、アナリストの予想に満たなかった企業も外してください。」
それでは、上記条件を全て満たす銘柄を記そう。もちろん、これは買い推奨ではなく、投資一アイディアであることをお断りしておきたい。
CarMax(KMX)、Ceradyne(CRDN)、First Community Banc(FCBP)、Holly(HOC)、Manulife Financial(MFC)、Nara Bancorp(NARA)、Nicholas Financial(NICK)、O’Reilly Automotive(ORLY)、Prosperity Bancshares(PRSP)、Remington Oil & Gas(REM)。