Monday July 3, 2006

US Market Recap

週末話題の金鉱銘柄

金が高値を記録したのは、もう20年以上も昔の話だ。1オンス850ドルの頂点は1980年、そして1999年には、253ドルに低迷していた。こんなありさまだから、金は投資対象から外れ、長いこと話題にもならなかった。そして2005年、金が爆発した。12月500ドルを突破、翌月1月550ドル、4月600ドル、5月はピークの715ドル、現在600ドルに戻している。

激しい金の上昇が合図になり、金鉱株も人気を取り戻した。金鉱株といえば、米国投資者が真っ先に思いつくのが、ニューヨーク証券取引所に上場されているニューモント・マイニング(NEM)だ。バロンズ紙の報道によれば、コロラド州デンバーに本拠地を置くニューモント・マイニングは、単に優れた経営陣を有するだけでなく、過去4年間で膨大な鉱脈を発見している。

鉱脈を掘り当てる最高の方法は、実際に存在する金鉱の隣接地を調査するのが良い、と言われている。ニューモント・マイニングの保有する金鉱の3割以上はネバダ州、そして6割は海外の先進国にあり、その総面積は3240万エーカーだから、ほぼイギリスに匹敵する。

金の値段が上がると、金鉱株も上昇する。ここ5年間の動きを見てみると、金は122%の上げ、ニューモント・マイニングはそれを上回る186%の上昇だ。同期間、S&P500指数は、たったの+7%だった。更に強調したいのは、2001年から2004年半ばまでの値動きだ。この間、金は+45%、ニューモント・マイニングは+135%の伸びを展開し、最高経営責任者ウェイン・マーディー氏の手腕が称賛される結果となった。

今年の様子だが、金は14%増、しかしニューモント・マイニングはマイナス2%だ。「最近のニューモント・マイニングの値動きは、決して将来を予測しているわけではありません」、と経済コラムニストのロンダ・ブラマー氏は言う。説明を聞いてみよう。

「以前のような強さが見られないニューモント・マイニングですが、これは投資者にとって買いチャンスです。もちろん、金自体がベアマーケットに陥ってしまえば別ですが、今年ニューモント・マイニングには大きな収益の伸びが期待できます。三つの低コスト金鉱からの生産が本格的に始まり、現在53ドルほどの株価は75ドルから80ドルあたりを狙えると思います。

金は大豆やトウモロコシなどの商品とは違います。個人投資者だけでなく、機関投資家も含めて、インフレ対策として金は買われます。それに、不安定な株式市場や為替市場も金買いの原因となります。ニューモント・マイニング社長ピエール・ラソンデ氏は、18カ月以内に金が過去の最高値850ドルに挑戦することを予測しています。」

いつも金の上昇率を超えてきたニューモント・マイニング、今回も同様なことが繰り返されるのだろうか?RBCキャピタルのスティーブン・ワーカー氏は76ドル、そしてシティグループのアナリストは75ドルをニューモントの目標株価に設定している。

Stocks You Need To Know About

ニューモント・マイニング

ニューモント・マイニングの週足チャートを見てみよう。

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ギャップゾーンを突破できるかが鍵だが、ストキャスティクスが上向き始めているから、ギャップを抜くことができるかもしれない。たとえブレイクアウトに失敗しても、48ドル近辺を走るサポートライン付近まで下げれば、買いが集まることだろう。

全体的な流れは、ギャップゾーンとサポートラインの間で横ばいだから、方向性は無い。正にジックリと、腰をすえた長期向きの株だ。何か大きな動きがあるとすれば、決算発表のある7月27日前後だろう。

Wall Street English

今週の焦点

今週注目されるのは、金曜に控えた雇用統計だ。ヒンズデール社のアナリスト、ポール・ノルティ氏はこんな見方をしている。

The past two monthly employment numbers have been disappointing, and economists are expecting another soft number - they expect that 168,000 jobs were added in June. If the figure comes in much lower than anticipated, then that could spark concerns that economic growth is slowing.

過去二回の雇用統計はがっかりな内容だったが、今回もエコノミストたちは弱めな数値を予想している。新規雇用者数は16万8000が予測されているが、これを大きく下回るようなら、米国経済冷えこみ懸念が、いちだんと強まることだろう。

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