乱高下するマーケット、胃の調子が悪くなった。そんな声が聞こえてくる。高い変動率はトレーダーには嬉しい。しかし、安定した投資を求める人には精神的に良くない。何かうまい解決策がないものだろうか?「インフレ懸念、それに金利情勢がマーケットを不安定にしています。重要なのは、連銀がどんな発表をしても、大きな影響を受けない株を選ぶことです」、と経済コラムニストのフレッド・フレイリー氏は言う。そんな銘柄が本当にあるのだろうか?説明を聞いてみよう。
「バンジージャンプのような値動きには、そう簡単に慣れることはできません。もちろん、激しい値動きは口座残高を大きく上下させる原因にもなります。どうしたら、こんなことを防ぐことができるでしょうか?当たり前なことを言うな、と腹を立てる方もいるかもしれませんが、乱高下しない株に投資すれば良いのです。
安定したポートフォリオを作るには、ボラティリティ(株価変動率)を制限しなくてはいけません。荒波の中で船を安定させるのはバラストです。適切なボラティリティのある銘柄を選択することは、極端な口座残高の変動を避けることができますから、動転せずにおちついて投資をすることができます。」
ボラティリティの低い銘柄をフレイリー氏は推薦しているわけだが、永久に横ばいしてしまったら面白くない。弱い相場で下げ渋ってくれるのは良い。しかし、強い相場が来たらそれなりに上昇してほしい。そんな銘柄があるなら買ってみたいものだ、と思っている投資者のために、フレイリー氏が提案する銘柄の中から二つ紹介しよう。
1、ウォルマート・ストアーズ(WMT 世界最大手小売業者)
「ウォルマートはイメージチェンジに力を入れています。企業は活性化され、海外への進出にも積極的になり、収益は更に上昇することでしょう」、とシティグループのデボラ・ワインスイック氏は言う。
チャートを見ていただくと分かるが、5月6月の下げ相場の中で、逆にウォルマートは上げている。正に底力が証明されたわけだ。ウォルマートは48ドルほどで現在取引されているが、ワインスイック氏は60ドル、そしてバッキングハム・リサーチ社は62ドルを目標株価にしている。
2、シェーリングプラウ(SGP 製薬会社)
既に悪い材料は出尽くし、株価は底値近辺だ。一番痛かったのは、大評判だった薬品クラリティンの特許権を失ってしまったことだ。新薬の開発が遅れていたから、2000年には60ドルだった株価は、現在20ドル以下でウロウロしている。
そして今日、シェーリングプラウには回復の兆しが見えている。プルーデンシャルのアナリスト、ティム・アンダーソン氏によれば、メルク社と共同で開発した抗コレステロール薬、バイトリムの売上は順調に伸びている。また、リストラの結果、約1億ドルの経費が節約できるようだ。アンダーソン氏は22ドル、そしてメリルリンチは24ドルをシェーリングプラウの目標株価に設定している。