Thursday June 29, 2006

US Market Recap

歯切れの悪い専門家の助言

株番組を見ていると、「持ち株を処分した方が良いでしょうか?」、という視聴者からの質問が最近多い。世界的に嫌な相場が続いているから、投資者たちが不安になっても仕方が無い。もちろん、デイトレーダーがこんな質問をするわけがないから、正確に言い換えれば、長期的に見た場合、現在株を売ることは正解だろうか?

「もし、今売らなかったらどうなるでしょうか?先ずそれを検討してください」、と言うのは以前ファースト・コール社でアナリストを務めたポール・エリオット氏だ。今売らなかったらどうなるのか?投資アドバイザー、ギャリー・カルトバウム氏を引用しよう。「200のグループを追っていますが、10銘柄中7から8銘柄がテクニカル的に貧弱です。特に最近気になるのが、マーケットの指標になる大手銀行です。天井が形成され、下げが始まっていますから、明らかに悪材料です。チャートパターンに好転の兆しが現れるまで、買いは控えなければいけません。」

ニューヨーク大学教授、アズワス・ダモダラン氏の意見を聞いてみよう。「今株を処分するべきか、という質問の裏側にあるのが、ひょっとしたらこの辺が底だろうか、という質問です。米国の金利上昇が株安原因になった、と説明する人が多いですが、これはあまりにも短絡的です。金利の上昇は既に2年近く続いていますから、昨日今日に始まった話ではありません。世界的な株安は、一つの要素だけでは起きません。

それでは、株式市場の下げは終わりに近いでしょうか?この疑問にも、簡単に回答することはできません。繰り返しになりますが、下げ原因は一つだけではありませんから、米国の金利安定が世界的な株高になる、と断定するのは無理です。」

どうも歯切れの悪い意見だが、ダモダラン氏は投資者に五つの助言がある。
1、株はなぜ下がるのか、といった質問には理論的な回答など無い。だから、専門家の意見を聞くのも無駄だ。
2、現在口座残高が減っているなら、十分に株の危険性が理解できたはずだ。次の上げ相場で、「株は安全だ」、などといった極論が出たら、今日の体験を思い出そう。
3、下げ相場の始まりが確認できたら持ち株を売ろう、と言う人が多いが、次の事実を覚えておいてほしい。確認ができた時は、既に大きく下がっている。逆に底が確認できた時も、既に大きく上がっているものだ。
4、大衆と逆に動くのは正しい。しかし、これほど難しい投資方法は無い。
5、アナリスト、それにアドバイザーたちが使っている水晶の玉は曇っている。プロの意見は当てにならない。

これが助言?あまりにも悲観的だ。「もし、今売らなかったらどうなるでしょうか?先ずそれを検討してください」、と指摘したポール・エリオット氏に戻ろう。「現在の株式市場を見ていると、たしかに不安になってしまいます。しかし、今は売る時ではありません。ほとんどの投資者は、必ずと言っていいくらい売った後に後悔しています。住宅を買いたい、新しい家具がほしい、そんな時だけに株は売るべきです。」これもあまりスッキリしない。三者で参考になるのは、カルトバウム氏だけだ。

Stocks You Need To Know About

J.Crew ( J C G )

ファッションの店、J.Crew(JCG)の取引が始まった。公募価格は20ドル、そして初値は25ドル5セントだ。下は取引開始直後の動きを示す3分足チャートだが、今日が初日だから、もちろん過去のチャートはない。それだけに、サポートレベルやレジスタンスレベルが形成されるようすを見る良い機会だ。

0628JCG.gif

Wall Street English

0%

DETROIT (AP) - General Motors said Tuesday that for a short time it will offer zero-percent financing for up to six years on many of its cars and trucks as it tries to clear inventory off lots in preparation for the new model year.

そろそろ2007年型の車の発売が始まる。そこでゼネラルモーターズは、売れ残った2006年型を一掃するために、金利0%自動車ローンを実施する。

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