不安定な株式市場、いったい何を買ったら良いのだろうか?連銀は上げ過ぎになるまで、金利引き上げを終了させることはない。だからアメリカは不景気に陥る。そんなことを言うアナリストが多いから、なおさら銘柄選びが慎重になってしまう。
トレンドは投資者の友達、という言葉があるように、昔から大局的な流れに乗った投資が薦められている。今日のマーケットで明らかなのは、上昇する金利だ。金利上昇で有利なものは何だろうか?
ここで目につくのが、CNNニュースのヘッドラインだ。Million-dollar investors prefer cash、ということだから、お金持ちの投資者は現金を選んでいることになる。誤解を防ぐために記しておきたいのは、現金化といっても資金の全てではなく、約2割相当の金額だ。それでは、現金の行き先を見てみよう。
期限の制約が無く、いつでも引き出し自由、と便利なのが、マネーマーケット・ファンドだ。例えば、トランスアメリカのプレミア・キャッシュ・リザーブ・ファンドには4.91%、そしてチャールズ・シュワブのバリュー・アドバンテージ・マネーファンドには4.66%の利回りがある。
安全な短期国債利回りも悪くない。3カ月物は4.8%、6カ月物は4.93%、そして1年債が4.96%だ。最高に長い30年物国債は5.19%、また10年物は5.15%だから、短期利回りと長期利回りに差はほとんど無い。
満期前に引き出すと違約金を払うことになるが、銀行の定期預金も人気だ。オンライン・バンキングの活用者が増えている今日この頃だから、各銀行も良い利回りを表示して、新規客の獲得に精を出している。3カ月定期ではUFBダイレクトが4.94%、6カ月はコルス銀行の5.23%、12カ月定期もコルス銀行が5.37%という高い利回りを提示している。
それでは、どんな銘柄が狙えるだろうか。経済コラムニスト、ジム・ジューバック氏はこう語っている。「ソフトウェアの会社には、製品のサイクルがあります。新バージョンの発売が近くなると、既存バージョンのソフトウェア売上が大きく下がります。
アドビシステムズ(ADBE)が、正に今このサイクルに達しています。6月15日に発表された決算は予想を下回り、今年度の収益が下方修正されました。アクロバットとウェブマネージャーの新ソフトウェアは2006年の第4四半期に発売が開始され、フォトショップの新バージョンは2007年の春発売が予定されています。」
6月15日の決算がそうだったように、新ソフトウェアが発表される前の決算は、アナリストの予想以下になる傾向があるという。ガッカリな数値を見て、アナリストは収益予想を下方修正したが、これはアドビシステムズにとって好都合だ。ハードルが下がり、予想収益を達成しやすくなった。新バージョンの売れ行きが好調なら、次々とアナリストは格上げを発表することだろう。