40ドルの株を100株買うと4000ドル、そして4ドルの株を1000株買うと4000ドルの資金が要る。もちろん手数料も払わなくてはいけないが、あなたならどちらを選ぶだろうか?「現在、アメリカに上場されている株の平均価格は、約26ドルです。投資者によっては、一株26ドルと聞いただけで、買いの対象から外してしまいます。なぜなら、5ドルから10ドルで取引されている株が魅力的に感じるからです」、と言うのはドーフマン・インベストメントのジョン・ドーフマン氏だ。
心理的なことかもしれないが、一般的に投資者たちは、5ドルの株の方が200ドルの株より将来性があると思っている。200ドルが二倍になるよるも、5ドルが10ドルになる方が、ずっと楽に見えるからだ。それに、200ドルの株を100株買うには2万ドルが必要だが、それだけの資金があれば、5ドルの株を4000株も買うことができる。同じ投資金額でも、4000株の方がリッチな気分になれる。ドーフマン氏の話に戻ろう。
「ミューチュアルファンドやヘッジファンドが、なぜ10ドル以下の銘柄を避けるかを説明しましょう。コンピュータテクノロジーが進み、売買がだいぶ自動化されてきましたが、多くのミューチュアルファンドは、いまだに一株あたり1セントから6セントの手数料を払っています。500株、600株といった数字なら問題ありませんが、ファンドの売買する金額は膨大です。ですから、低位株などに手を出すと手数料が極めて割高になってしまうのです。
個人投資家には、ファンドのような手数料のハンディキャップがありません。オンラインでトレードすれば、10ドル前後の手数料で売買ができるはずです。
ミューチュアルファンドや、機関投資家が低位株を敬遠する現状ですから、とうぜんアナリストたちも10ドル以下の株を追うことはありません。更に付け加えれば、安い株は、ウォールストリートで軽視されています。ですから、低位株には、意外な掘り出し物が隠れている可能性が大きいとも言えます。
2001年から始めたことですが、私は毎年5ドルから10ドルで取引されている、有望株リストを作成しています。2005年の6月16日から、2006年6月9日までの成績は、配当金も含めて+10%でした。同時期のS&P500指数は、+5.4%ほどです。
特に目立った伸びを見せたのは、アリバ(ARBA)とハーベスト・ナチュラル・リソーシズ(HNR)の二銘柄で、それぞれ30%以上の成長です。ダメだったのは、アースリンク(ELNK)がマイナス14%、そしてスチュワート・エンタープライズ(STEI)のマイナス5.6%です。
過去3年間の低位株リストの成績は+38%、そしてS&P500指数が20%増です。それでは、今年のリストから二つ紹介しましょう。
ジャーナル・レジスター(JRC)
27の新聞社と、362の出版社を経営しています。11年間連続で利益を上げ、2005年度の収益はやや下がりましたが、それでも株主資本利益率は22%を記録しました。
アースリンク(ELNK)
去年のマイナス株ですが、まだチャンスがあると思います。アースリンクは、アトランタに本拠地を置く、全米第4位のインターネット・プロバイダです。1994年から2003年まで赤字が続きましたが、2004年に黒字になり、2005年は1億4300万ドルの収益がありました。株価収益率はたったの9ですから、正に割安株です。」