高いボラティリティが話題になっているが、その原因は何だろうか?株番組「マッド・マネー」の中で、ジム・クレーマー氏は、こんなことを語っている。
「株価格の変動性をボラティリティと呼びますが、最近のボラティリティは異常です。株価の変動率が大きく上がっていますから、マーケット経験の浅い投資者は、ただおびえるばかりです。高ボラティリティを恐れてはいけません。逆に、それを利用することが肝心です。
なぜ高ボラティリティが起きるのでしょうか?答えは需給関係のアンバランスです。買い手と売り手の力に大した差が無いバランスのとれた状態では、株価に大きな動きはありません。しかし、どちらかの力が一方的に強くなると需給関係が崩れ、高ボラティリティを引き起こします。
需給関係を崩す原因について、少し説明しましょう。大量な株を保有するブローカーは、本来ならゆっくりと持ち株を処分しましたが、最近そうすることが少なくなりました。時間をかけて少しずつ売るなら、株価に大きな変動はありませんが、今日のように一気に売られると、簡単に需給バランスが壊れてしまいます。なぜ一気に売る必要があるのでしょうか?金利が上がっていますから、信用買いが以前より割高になっています。 それに手数料も格安ですから、トレードコストをほとんど気にする必要がありません。
次に指摘したいのは、人気化する上場投信です。上場投信は、普通の株と同様に取引することができ、値動きも活発な物が増えてきました。例えば、半導体銘柄に投資する上場投信、Semiconductor HOLDRsが売られると、個別半導体銘柄も同様に売られます。ですから、何の悪いニュースも無いのに、あなたの持つ株が下がっているなら、それは上場投信が原因かもしれません。
三番目にあげたいのはヘッジファンドです。ブローカーが大きな売買を速いテンポですることは既に述べましたが、ヘッジファンドの売買は、それ以上に激しい速度です。ヘッジファンドは、単にマーケットの一大勢力ではなく、今日のマーケットをほんろうしています。」
現在のマーケット環境では、どんな投資方法が適しているのだろうか?ロブ・ハンナ氏(投資アドバイザー)の話を聞いてみよう。
「下げ方向を意識した投資姿勢が必要です。もしマーケットがラリーを展開するなら、空売りのチャンスだと思ってください。下げ基調の相場では、上げが長く続くことはありません。特に最近の株価変動率は高いですから、行きすぎた株を売るチャンスが何回か訪れることでしょう。
買いを実行するなら、極端に売られた銘柄を中心に選ぶべきです。弱いマーケットでは、ブレイクアウトに勢いがありません。空売りの買い戻しに焦点を合わせて、大きく叩かれた銘柄を狙ってください。また、買い手のエネルギーも不足していますから、利食いは早めにすることが肝心です。」