既に伝説的S&P500トレーダーとなったルイス・ボルセリノ氏に、ある新人トレーダーが、こんな質問をした。「喧騒とする立会場では、どんな売買方法を実際に使っていたのですか?」オフィスや自宅なら、チャートを分析しながらトレードすることができる。しかし、トレーダーで溢れる立会場では、一々チャートを見ることができない。
「取引ピットでは、勢いに乗った売買が頻繁に行われます。だからと言って、順張りばかりが行われているわけではありません。私自身いつも注意していることは、現在の多数意見と少数意見を冷静に把握することです。極端な言い方をすれば、皆が空売りなら、あなたは反対に買う勇気を持たなければいけません。」逆張りの重要性を説くボルセリノ氏だが、氏には守り続けている10のルールがある。さっそく紹介しよう。
1、金を目的にするな。
儲けることばかりに気を取られ過ぎて、ほとんどのトレーダーには、綿密なトレード計画が無い。先ずチャートを分析して、はっきりとした売買ポイントを設定する。とうぜん利益目標や、損切りの位置もあらかじめ決めておかなければならない。きちんとしたトレード計画無しで、利益を上げるのは不可能だ。
2、感情をコントロールしろ。
どんなに優れたテクニカル分析をしても、実際のトレードで感情に支配されたのでは、せっかくの分析も台無しだ。感情をコントロールできなくては、トレードでの成功は望めない。
3、自分の性格に合ったトレード方法を選べ。
どんなに素晴らしい手法でも、自分の性格に合わなければ使いものにならない。ポジションがあると心配で眠れない人なら、デイトレードに徹するべきだ。
4、うぬぼれるな。
少し成功が続くと、トレーダーは自信過剰になってしまう。その結果、売買はずさんになりつならない失敗を繰り返すことになる。自信を持つのは良い。しかし、うにぼれは破綻への近道だ。
5、トレードに祈りは通用しない。
思惑が外れると、「神様、助けてください!」と祈りが飛び出てしまうものだが、頼れるのは適切なテクニカル分析だけだ。
6、損切りは素早く。
あらかじめ決めておいた損切り価格に達したら、迷わずポジションを処分すること。元の値段に戻るだろう、などといった安易な考えに支配されてはいけない。
7、毎日トレードする必要は無い。
トレーダーだからといって、毎日売買する必要は無い。厳選して、リスクの低いトレードを実行することが大切だ。
8、負けトレードを気にし過ぎるな。
トレードに負けは付き物だ。失敗した時は、必ずその原因をつきとめよう。
9、三連敗?
三回連続で負けたら、その日のトレードはそこで打ち切れ。とにかく、そんな時は、頭を冷やすことが先決だ。
10、ルールを守れ。
ルールを違反しても儲かることがある。だからといって、いい加減なトレードを続けていると必ず大きな穴を開けることになる。