ABCニュースが、「金持ち父さん貧乏父さん」の著者ロバート・キヨサキ氏に挑戦した。誰でもキヨサキ氏の言うように、本当に金持ちになれるのだろうか?スタート資金は1000ドル、そして制限時間は20日間の設定で、3人が実験に参加した。先ずメンバーを紹介しよう。広告会社勤務のシェリルさん、建築会社に務めるジュリーさん、そしてカウンセラーのジェームズさんだ。
集まった3人を前に、キヨサキ氏は話し始める。「あなた方の中で、誰が最も起業家としての才能があるかをテストしたいと思います。与えられた20日間で、手持ち資金の1000ドルを増やしてください。方法は、あなたが自分で決めてください。もちろん、法に違反するやり方はダメです。それから、もう一つ約束してほしいことは、だれにもABCニュースが主催者であることを言わないでください。」
説明が終わり3人が去った後、キヨサキ氏はABCニュースにこう語った。「一人も利益を上げられないかもしれませんが、それは決して不思議なことではありません。ひょっとしたら、全資金を失うこともありえるでしょう。こんなことは言いたくないのですが、ビジネスを始める人たちの90%が失敗します。ですから、私はいつもこう強調しています。きびしい現実を恐れて何もしないことは、成功を避けているのと同じです。」
シェリルさんは、非営利団体のために資金集めをすることにした。集まった資金の一部を、手数料として受け取ろうという作戦だ。ジェームズさんはキャンディーを売ることにした。箱に詰めたキャンディーを学校において、売上を学校と分けるやり方だ。ジュリーさんは、頭痛薬や胃腸薬用の自動販売機を売ることにした。自動販売機は安くない。そのため、ジュリーさんは更に自己資金の1000ドルを足すことになった。
制限時間の半分、10日が経過した。困ったことに、ジュリーさんには注文した自動販売機がまだ届かない。イライラするジュリーさんに、キヨサキ氏はこう語った。「あと10日しか残っていないのに、こんな状態では絶望的ですね。」この言葉は意外だった。ジュリーさんは言う。「キヨサキ氏は、具体的なことを何ひとつ教えてくれません。私が知りたいのは、効果的なセールス方法です。」
ジェームズ氏はわずかな利益を上げたが、その全額を慈善組織に寄付してしまった。ジェームズさんに、キヨサキ氏はこんな発言をした。「なぜそんなことをしたのですか?先ず自分が利益を確保することが肝心です。あなたは優先順序を間違っています。」シェリルさんにも、キヨサキ氏はきびしい言葉を放った。「もっと積極的に宣伝をしなければダメです。あなたのビジネスは、非常事態に直面しています。いいですか、チャンスは一度しかないのですよ。」
最終結果を見てみよう。ジュリーさんは、自動販売機を一台も売ることができなかった。キヨサキ氏は、ジュリーさんの非現実的なビジネスを批判した。ジェームズ氏は540ドルの儲けがあったが、全てを慈善組織に寄付した。シェリルさんは243ドルの利益が手元に残った。
ジュリーさんの言うように、キヨサキ氏は具体的なことを参加者に教えることはなかった。ABCニュースは、単刀直入にキヨサキ氏に質問した。「あなたの本からは、いったい何を学ぶことができるのですか?」返って来た答えはこれだ。「仕事を辞めないで、パートタイムでビジネスを始めてください。そして何度も失敗を繰り返してください。」