あなたは短期投資専門ですか、それとも長期投資が専門ですか?この質問に明確な回答ができる投資者は少ない、とコラムニストのケン・シュリーブ氏は言う。「ほとんどの人たちは、こう教えられてきたはずです。株を買ったら、長く持ち続けなさい。多少の値動きに動揺してはダメです。もし株価が半分になるようなことがあったら、迷わず買い足しなさい。全ては時間の問題です。きっと株価は元に戻るだけでなく、利益も上げることができるでしょう。」
シュリーブ氏の例で分かるように、長期投資者の欠点は、現在の株価や経済状態にあまり注意を払わないことだ。場合によっては、株は長期持てば必ず儲かる、と信じている人もいるから、持ち株のことを完全に忘れてしまっている投資家もいる。「長期投資を専門にすることは構いません。しかし、多くの人は株を必要以上に長く持ちすぎです」、とシュリーブ氏は指摘する。
どうして人々は長期投資を選ぶのだろうか?シュリーブ氏の説明に戻ろう。「最初から、きちんと投資スタイル決めて株を買う投資家はマレです。20%の儲けを狙っている場合なら、1カ月でそれが達成できることもあれば、運良く二日間で達成してしまうこともあります。ようするに、納得できる利益さえ出れば、投資期間などあまり問題にならないわけです。しかし現状は、多数の投資者が長期投資が中心だと言います。なぜでしょうか?
好例を挙げましょう。2000年のナスダック市場を思い出してください。アナリストは次々とインターネット銘柄に超強気な買い推奨を連発していました。事実、株価も面白いように上がっていました。しかし有頂天になっていた投資家には、差し迫ったバブル崩壊など予期することはできません。あまりにも割高な株価はとうとう下げ始めるのですが、ここで投資者たちはどうしたでしょうか?
普通なら、一定の損額が生じたら株を売却しますが、多くの投資者はそこで昔おしえられたことを実行したのです。株が下がったら買い足せば良い。あとは時間の問題、待てば必ず株価は回復する。もちろん、下げ相場で難平買いが成功するはずがありません。度重なる買い足しで資金も尽き、こうして長期投資者が誕生したわけです。」
たしかに、長期保有で株が元の値段に復帰することもある。しかし2000年3月、5132ドルだったナスダック指数は、今日現在まだ2169ドルだ。個別銘柄なら、2000年64ドルだったサン・マイクロシステムズは今日4ドル30セント、104ドルだったEMCコープは12ドル40セント、150ドルだったJDSユニフェーズは現在たったの2ドル87セントだ。
株を塩漬けにしないためには、どうしたらいいのだろうか?シュリーブ氏はこう語っている。「長期短期にかかわりなく、投資者はトレンドに敏感でなくてはいけません。トレンドの転換を確かめるのは簡単です。チャートに一本の、トレンドラインを入れるだけで、ダメな株をイタズラに保有することはなくなることでしょう。」