人気番組「マッド・マネー」で、ジム・クレーマー氏は「ボラティリティが今日のマーケットを支配している」、と視聴者に警告した。どういう意味だろうか?簡単に説明すれば、株価が乱高下する変動率の高いマーケットでは、損は予想以上に大きくなり、逆にうまく行った場合は思わぬ大きな利益を手にすることができる、ということになる。
マーケットに下げは付き物だが、「まだこれから大きな下落がある」、とクレーマー氏は断言する。投資者はどうするべきだろうか?クレーマー氏の回答を記す前に、投資アドバイザーが薦める一般的な方法を説明しよう。
1、株を現金化する
2000年から2003年まで続いたベアマーケットを思い出してほしい。ハイテク株は徹底的に叩かれ、50%以上下げる株が続出した。ウォーレン・バフェット氏が言うように、投資で成功する秘訣は損を出さないこと。ここは持ち株を売って、しばらく休憩するのも一案だ。
2、超保守的な投資のみを選ぶ
2000年、異常な株価収益率に気がついた投資者は、危険な株を処分して資金を債券ファンドやマネーマーケットに避難させた。結果的にこれは正解だったわけだが、保守的な投資でも、短期債券と中期債券の組み合わせで、年に10%近い利益を上げることもできる。
3、起業家へ転身
超保守的な投資が嫌なら、おもいきってビジネスを始めたらどうだろうか?ミリオネアの地位を獲得した、ほとんどの人たちは起業家だ。誰にでもできることではないが、経営コンサルタントなどに相談して、自分の可能性に賭けるのも悪くない。
4、何もしない
もちろん、これには条件がある。あなたがベアマーケットに備えたポートフォリオを既に持っているなら、何もする必要はない。一部の資金を、商品市場に回すことも重要だ。
それでは、クレーマー氏の回答に戻ろう。「どんなに下げが厳しくても、マーケットから買い手が消えてしまうわけではありません。下がるたびに、買い手を集める銘柄があるのです。自社株買い戻し、という言葉を耳にしたことがあると思いますが、下げ相場では自社株買い戻しを頻繁にする株を買うことが秘訣です。例を挙げましょう。
シティグループ(C)、タイム・ワーナー(TWX)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、ペプシ(PEP)、CBS(CBS)、ホーム・デポ(HD)、ニュース・コープ(NWS)、アムジェン(AMGN)、シェブロン(CVX)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)、ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)、マクドナルド(MCD)、ノキア(NOK)、シアーズ(SHLD)」
この中で、クレーマー氏が一番気に入っているのは、最後に記されているシアーズ(小売セクター)だ。なんでも、最高経営責任者のエディー・ランパート氏は、会社収益のためならガンガン自社株を買い戻すことだろう、とシアーズをべた褒めだ。