1990年代、トップクラスのヘッジファンドマネージャーとして活躍したマーク・バウチャー氏には、嫌な思い出がある。1973年のベアマーケットで、氏は口座資金の90%を失ってしまったのだ。徹底した資金管理抜きで、投資で勝つことはできない。それが、氏の学んだ最高のレッスンだった。以前CBSでレポーターを務めた、ケビン・マーダー氏がバウチャー氏をインタービューした。一部を紹介しよう。
ケビン・マーダー(KM):最初に株式市場に興味を持ったのはいつですか?
マーク・バウチャー(MB):初めて株を買ったのは高校生の時です。私が9才の時、父が亡くなってしまったのですが、大学のために10万ドルの資金を残してくれました。実際に私が大学に入学して間もない頃ですが、10万ドルの資金は、たったの1万ドルになっていました。銀行の人が私の資金を運用していたのですが、ベアマーケットで大失敗をおかしてしまったのです。90%の資金を失うことで、私は貴重なことを学びました。買ったまま持ち続ける、バイ・アンド・ホールドは通用しないということです。
KM:どこの大学へ行かれたのですか?
MB:カリフォルニア州立大学バークレー校です。
KM:大学でも株式投資をしたのですか?
MB:株投資は続けましたが、大学の頃夢中になったのが商品市場です。おかげで口座残高は派手に動きました。金の先物をやった時ですが、一時的に口座残高が100万ドルを超えました。もうそれこそ毎晩パーティーです。しかし、連銀議長の一言で金は大幅に下げ、最終的な利益は2万ドルでした。オレンジジュースの先物では、大きくやられました。空売りで10万ドルほどの利益が出ていたのですが、フロリダに霜のニュースで、翌日オレンジジュースは急騰です。儲けの10万ドルも吹き飛んでしまいました。こんな形で勝ち負けを繰り返し、卒業した時の口座残高は20万ドルでした。
KM:現在ファンドマネージャーとして活躍しておられるわけですが、どのような投資方法を使っているのですか?
MB:私の投資スタイルは、ウィリアム・オニール氏がモデルになっています。「オニールの成長株発掘法」の一読を強く薦めます。売上、一株利益、チャートパターンなどが説明されていますが、その一つ一つはファンドマネージャーにとっても重要です。
(出張のため、12日から23日までは有名トレーダーの談話やインタビューの一部をお届けします。)