スティーブ・パームクイスト氏は、マーケット経験20年のベテラントレーダーだ。多くの人たちと同じように、本やセミナーを通してトレードを習得した。問題なのは、本には様々なチャート・パターンが例として載っているが、どんな環境でそのパターンが有効なのかが説明されていない、とパームクイスト氏は言う。
試行錯誤を重ねて出した、パームクイスト氏の結論はこれだ。「あらゆるチャート・パターンをバックテストしましたが、重要なことは好きなパターンを見つけることではなく、マーケット環境に合ったパターンを適用することです。パターンに好き嫌いがあったのでは、利益を得る機会が減ってしまいます。ですから、数多くのパターンを用意しておくことをすすめます。」
株が専門ですか、それとも先物ですか?の質問に、氏はこう答えている。「私は何でもトレードします。たしかに株だけを専門にする人たちが多いですが、私はチャート・パターンを重視しますから、トレードするものは何でも構いません。」氏はどうやって銘柄を選び、どんなことに注意しているのだろうか?もっと説明してもらおう。
「毎晩データベースをスキャンして銘柄を選びます。高値からプルバックしているもの、安値からプルバックしているもの、ブレイクアウトした銘柄、ブレイクダウンした銘柄といった形でスキャンします。一つ一つのチャートを検討した後、買値、損切り、目標値などを設定します。
チャートを分析する時は、出来高に注目してください。出来高は、投資者たちの関心度を表しています。バックテストして分かったことですが、どんなに良い買いチャート・パターンでも、出来高が乏しいと大きな上昇を望むことはできません。もちろん、少ない出来高で大幅上昇もありますが、上げが長続きしません。MACD、RSI、ストキャスティクスなど指標には様々な種類がありますが最初に動くのは株価と出来高です。全ての指標は先行するものではなく、株価や出来高に遅れるものであることを頭に入れておいてほしいと思います。
現在のマーケット環境を正しく把握することも大切です。上げ基調なのか、下げ基調なのか、それとも横ばいなのかを確認せずに正しいトレードはできません。特に新人トレーダーに多いのですが、横ばいや下げマーケットで、強気なブレイクアウト手法を使う人たちがいます。これはダメです。弱いマーケットでは、たとえブレイクアウトしても、ほとんどの場合が騙しです。最初の数分間は良いかもしれませんが、直ぐ下げてしまいます。ブレイクアウトのトレードは、強いマーケットで有効なやり方です。
繰り返しますが、値動きと出来高が基本です。MACDやストキャスティクスに頼ってはいけません。ストキャスティクスは、現在の株価を過去と比較して、今の株価がどんな位置にあるかを見るものです。これは、チャートを見れば分かることで、ストキャスティクスは要りません。また、多くの指標は買われ過ぎ、売られ過ぎレベルを設定していますが、買われ過ぎなものは更に買われ、売られ過ぎているものは更に売られる傾向があるので、初心者に指標の利用はすすめません。」
(出張のため、12日から23日までは有名トレーダーの談話やインタビューの一部をお届けします。)