注目される水曜のFOMC(連邦公開市場委員会)だが、金利は0.25ポイント引き上げれて5%ちょうどになる、というのが大方の意見だ。米国大和証券のエコノミスト、マイケル・モラン氏は、「米国経済は堅調なペースで伸びていますから、インフレが悪化する恐れが十分にあります。ですから、水曜の会議で金利引き上げがあったとしても、全く不思議ではありません」、と述べている。
今月の金利引き上げがほぼ確実なら、6月はどうだろうか?17回連続の引き上げの可能性は、どの程度あるのだろうか?アクション・エコノミクスのマイケル・エングランド氏は半々だと言う。「たぶん、バーナンキ議長は、5%で一旦金利引き上げ政策をストップすると思います。しかし、それを既成事実として完全に受け入れ要るのは危険です。」
執拗な利上げのおかげで、不動産ローンの金利も上がっている。週末の会議で、大投資家ウォーレン・バフェット氏はこんなことを述べている。「住宅市場の冷えこみは一部的な現象ではなく、アメリカ全体に広がっている。特にフロリダ州のような、値上がりの激しかった地域での冷えこみが顕著だ。一時は、マンションがデイトレードされるほど投機熱が上がっていたが、住宅価格は大幅に下げることになりそうだ。」
バフェット氏が指摘するフロリダの住宅市場は、去年の冬頃から状況が大きく変わっている。「まるで凍ってしまったようです。物件を売るのが、非常に難しくなっています」、と不動産業者のピーター・セルニッカー氏は言う。好調な住宅市場に目をつけて、セルニッカー氏がフロリダにやって来たのは5年前だ。順調に住宅売買を繰り返して、去年の夏、氏はミリオネアのステータスを達成した。
「しかし、フロリダの住宅市場は一夜のうちに変わってしまいました」、とセルニッカー氏は続ける。「本当にあっと言う間の出来事です。以前なら、物件は24時間以内に売れてしまいましたが、今日は少なくとも3カ月から4カ月の時間がかかります。こんなに冷え込んでしまったのは、上昇が続く不動産ローンの金利が原因です。とにかく買い手がいません。私も物件を売るのを諦めて、全て貸すことで現状を切り抜けています。」
冷え込むフロリダ住宅市場について、セルニッカー氏と同業の、マーク・ジルバート氏はこう語っている。「新しいマンションが出来上がったので、さっそく不動産投資家たちに案内書を送りました。しかし、誰からも返答が無いのです。本当に突然のことでした。仕方がないので、直接何人かの投資家に電話をしました。返事は皆同様でした。フロリダの不動産は行き過ぎだ、と言うのです。」
去年完成したデルレイ・ビーチのマンションは、まだ40%以上が売れ残っている。素早い利益を予想した投資家も、物件が売れなくてイライラしている。物件の投げ売りが始まるのだろうか?