経営コンサルタントのスティーブ・シュトラウス氏には、最近こんな相談が増えている。「助けてください!ガソリンが急ピッチで上がっていますが、車を頻繁に使うセールスマンに、ガソリン代が大きな負担になってきました。ガソリンは自己負担という条件で雇ったのですが、先日、経営者の私にガソリン代を払ってほしいとセールスマンから強い要求がありました。小さな会社ですから、私にはガソリン代を払う余裕はありません。しかし、要求を呑まないと辞めてしまうかもしれません。何か良いアイディアをください。」
去年の同時期と比較すると、ガソリンは20%も上昇している。とうとう1ガロンあたりの値段は3ドル(1リットルあたり91円)を突破して、消費者の不満の声がいっそう大きくなった。一時的なガソリン高に終わってほしいところだが、サム・ボッドマン氏(エネルギー省長官)は、日曜日に放映された番組の中で、ガソリン高は向こう2ー3年間続くだろう、という見方を発表している。
さて、上記の悩む経営者に、シュトラウス氏はどんな回答をしたのだろうか?さっそく見てみよう。
燃費の良い車に買い換える:ガソリン高が定着しつつある現状だから、ハイブリッドカーのような省エネ車を考慮する時期かもしれない。
オートバイ、またはモペット(自転車バイク)の利用:セールスマンの業種によって無理かもしれないが、オートバイは1ガロン(3.785リットル)のガソリンで60マイル(108キロ)は走ることができる。モペットなら160キロまではいけるはずだから、間違いなくガソリン代を節約できる。
ガソリンの代わりにエタノールを使う:ニッサン・タイタン、それにフォード・エクスプローラーは、ガソリンより安いエタノールを燃料として使うことができる。
車の共有:セールスマン同士で調整するのが難しいかもしれないが、ガソリン代を倹約するために1台の車を複数のセールスマンで共有、または相乗り方式を取り入れることが考えられる。
在宅勤務の導入:セールスマンだけに限らず、在宅勤務は燃料費削減に役立つ。
インターネットの利用:オンライン会議を実施することで、運転量を減らすことができる。
値上げ:燃料費をカバーするために、取り扱い商品の値段を上げる。
ガソリン高で頭の痛い中小企業の経営者だが、場所が変わると見方もガラッと違ってくる。「ガソリンが1ガロンあたり3ドル突破?それはお気の毒ですね。でも、イギリスでは7ドルですよ」、と言うのはロンドン近郊に住むキャロライン・グレッグソンさんだ。
イギリス人だけでなく、ヨーロッパの人たちはアメリカのガソリン高に同情することはない。もう10年以上も前から3ドルを超えるガソリン代を払っているヨーロッパ人にとって、現在のアメリカのガソリンは破格に安い。他の言い方をすれば、いままでアメリカ人には省エネ意識が全くなかったわけだ。たしかに海外から見れば、まだアメリカのガソリンは安い。しかし3ドル突破のおかげで、ようやくアメリカ人に代替エネルギーの必要性が分かり始めてきた。