ガソリンスタンドに行くのが嫌になる。先週だけで何と4.7%も跳ね上がり、1ガロンあたりのレギュラー・ガソリン価格は、全米平均で2ドル91セントになった。(1リットルあたり約90円)ロイターの報道によれば、これは史上4番目の高水準だ。
高いガソリンは政治家の直接責任ではないが、中間選挙を秋に控えて、共和党の議員は頭が痛い。そんな議員たちからの圧力に応えるように、ブッシュ大統領はオイル会社による、不当なガソリン価格操作がないかどうかを取り調べることを約束した。
PFCエネルギーのアナリスト、ジョージ・ベラネック氏はこう述べている。「政治的な対策が、実際にガソリンスタンドに反映されるには、かなりの時間がかかります。ですから、ワシントンの政治家たちは、現在のガソリン価格に何の影響も与えることはできないでしょう。」
ケイトー・インスチチュートのアラン・レイノルズ氏は、こんなことを言う。「ガソリンの値段が安定している時や、下がっている時には、誰も何も言いません。しかし、今日のように値段が上がり始めると、オイル会社が暴利をむさぼっている、と皆で非難の声を上げます。」
さて、4人の大統領は、どのように高いガソリン問題に対処しただろうか。さっそく見てみよう。
リチャード・ニクソン大統領(1969ー1974):1973年、アラブ原油禁輸措置で、ガソリン価格が40セント以下から1ドル以上に高騰した。大統領は、価格コントロール、ガソリン配給制度、そして高速道路の最高スピードを55マイル(88キロ)に引き下げた。そして、アラスカ・パイプライン建設を許可した。
ジェラルド・フォード大統領(1974ー1977):ニクソン政権時代の、アラブ原油禁輸措置問題を引き継いだ。基本的に、ニクソン大統領のやり方を継続したが、1975年、エネルギー・ポリシー法案を通過させ、新車の燃費が設定された。
ジミー・カーター大統領(1977ー1981):イスラム革命、イラン・イラク戦争で原油の生産が大幅に減り、オイル価格は1バレル34ドル、そしてガソリンは1ガロン1ドル50セントに急騰した。大統領は、オイル輸入量制限、エネルギー省の設置、そしてオイル会社に対して超過利潤税を課した。
ジョージ・ブッシュ大統領(2001ー現在):イラク、ナイジェリア、そしてメキシコ湾からのオイル生産量が、戦争、政治不安、そしてハリケーンで減産している。また、イランの原子力開発問題が、原油高騰につながっている。そこで大統領は、中東からのオイル輸入を2025年までに75%減らすことを提唱し、代替エネルギー開発として21億ドルの政府資金を割り当てた。
繰り返しになるが、11月には中間選挙がある。いったいガソリン高で、何人の共和党議員が落選するのだろう。どちらにしても、エネルギー銘柄は注目だ。