「もうひとつ投資成績がパッとしない、といったメールが最近増えています」、とティム・ミドルトン氏は言う。経済コラム、そしてラジオで活躍する氏には、多くの相談や悩みが持ち込まれる。「驚くことですが、いまだにBuy And Holdの、長期投資が正しいと信じている投資者が大勢います。このやり方は、90年代の強烈なブルマーケットで通用した方法です。」
たしかに、株式投資というと長期投資が強調される傾向がある。しかし、ミドルトン氏は投資で成功したいなら、Buy And Holdを、完全にやめるべきだと言う。もっと説明してもらおう。
「買った株を長く持ち続ける、それは20世紀の話です。もし、2000年から去年の終わりまで株を持っていたとすると、年間での利益は4%にも満たない結果です。これでは、満足できるはずがありません。マイケル・キットセス氏(ピナクル・アドバイザリー・グループ)は、投資で好結果をあげる4条件を、ジャーナル・オブ・ファイナンシャル・プランニング誌で発表しています。
1、多くの銘柄に投資するのではなく、銘柄を厳選すること。
2、弱いセクターを避けること。
3、株だけに固執せず、商品市場も選択肢に含めること。
4、売買タイミングを習得すること。
なぜこれら4項目が重要なのでしょうか?1990年代終盤が好例ですが、株式市場に贅肉が付き過ぎると、マーケットは単に平均値へ戻るのではなく、以前の安値をテストする傾向があります。このテストによって起きる下げ相場が、一般に言われるベアマーケットです。ここ三年間、マーケットは上げが続いています。ですから、ここから更なる上昇を期待するのではなく、下げ方向に備えることが重要です。」
ミドルトン氏は、多くの銘柄に投資することを、巨大なミューチュアルファンドにたとえている。あれもこれも、と様々な株を買うのは、正にミューチュアルファンドがしていることだ。一見バランスがとれているように見えるが、マーケットが下げ始めると、つられたように下落してしまう。だから、銘柄を少数にしぼる必要があるわけだ。ミドルトン氏の話に戻ろう。
「悪いマーケット環境だからといって、全てのセクターがダメになることはありません。優れたセクター選びで有名な、ジャック・バワーズ氏は、先日次のような投資内容を発表しました。(注:これはフィデリティのセクターファンドの組み合わせ)
1、Fidelity Select Brokerage & Investment (FSLBX 証券会社を中心に投資) 20%
2、Fidelity Select Energy (FSENX エネルギー関連)17%
3、Fidelity Select Telecommunications (FSTCX テレコミュニケーション、通信関連) 17%
4、Fidelity Select Wireless (FWRLX ワイヤレス関連) 14%
5、Fidelity Select Technology (FSPTX テクノロジー関連) 14%
6、Fidelity Select Biotechnology (FBIOX バイオテクノロジー関連) 13%
インフレ対策も必要です。株だけに固執しないで、資金の一部を金に回すことも考えてください。」
4番目の売買タイミングの習得だが、これに欠かせないのがローソクチャートだ。日足と週足を中心にして、定期的に持ち株の、トレンドチェックを忘れないようにしよう。