「こんなに育児費が高いとは思ってもみませんでした」、とUSAトゥデイのインタビューに答えるのは、マーガレット・シュウォーツさんだ。できれば、週に2、3回、自宅で息子たちの面倒をみたいのだが、現実がそれを許さない。そろそろ4才になる二人の子どもには、保育所も含めて、毎月少なくとも1330ドル(15万6940円)の育児費が要る。
現在アメリカには、1200万人に及ぶ5才以下の子どもたちが、保育園や幼稚園に通っている。ナショナル・アソシエーション・オブ・チャイルドケア・リソースによると、子どもを一人育てるには、年間で3803ドルから13480ドル(44万8754円ー159万640円)の育児費が必要だ。
両親が揃っている家庭なら、育児費が収入を占める割合は、平均で10.6%ほどになり、母子家庭や父子家庭の場合なら、その割合は約30%に跳ね上がる。もちろん、住んでいる場所によって育児費には大きな差がある。例えばニューヨーク州を見てみよう。両親がいる家庭は、収入の11.5%が育児費にあてられ、母子家庭や父子家庭なら、収入のほぼ半分の40.4%だ。
ジョージア州は、比較的育児費が低い。両親の揃った家庭における、育児費が収入を占める比率は6.2%になり、父子家庭や母子家庭の比率は20.3%だ。
カリフォルニア州の幼稚園は異常に高い。ファイト・クライムは、こんな報道をしている。「毎日ではなく、パートタイムで子どもを幼稚園に通わせると、年間平均で4022ドルから5000ドル(47万4596円ー59万円)の費用がかかる。しかし、フルタイムでカリフォルニア州立大学に行くと、年間に必要な授業料は3164ドル(37万3352円)だ。(注:カリフォルニアには二つの州立大学システムがあり、3164ドルは安い方の授業料。)」
高騰する育児費は、中間所得階級にとって頭痛の種だ。マサチューセッツ州に住む、リサ・リベロさん(31才)には、今年1才のサムエル君がいる。マサチューセッツは、ニューヨークと同様に育児費が高いのだが、リベロさんは毎月デイケア・センター(育児所)に2000ドル(23万6000円)を払っている。全く不動産ローンのような金額だから、たとえ夫婦共稼ぎでも経済的な負担が大きい。そんなわけで、リベロさんは夫と相談して、安いデイケアセンターのある地域に引っ越すことにした。
小さな子どもを持つ親にとって、会社側からの協力は嬉しい。例えばサン・マイクロシステムズ社は、積極的に在宅勤務を取り入れている。現に、サンで働くメリー・スマガラディスさんは、こう語っている。「育児所は超過時間に対して、1.5倍の料金を請求してきますから、在宅勤務は本当に助かります。」
携帯電話、コンピュータ、それに高速インターネット、これだけあるのだから、もっと在宅勤務者の数が増えることだろう。