社員の都合に合わせて、勤務時間を調整してくれる企業が増えている。子どもを幼稚園に迎えに行きたい。毎週火曜と木曜は大学に行きたい。そんな望みが、かなうようになったのだから、たしかに時代は変わった。しかし、ABCニュースによれば、一見思いやりのある企業の態度は親切心から出たものでは無いという。
社員のスケジュールを配慮した、柔軟性がある会社側の姿勢は企業イメージ改善に役立っている。これで優秀な人材が集めやすくなっただけでなく、優れた社員を他社に引き抜かれる可能性も減る。結果的に働きやすい職場になるのだから、生産性も向上するわけだ。
一口に勤務時間の調整といっても、やり方は一つだけではない。実際の例を見てみよう。
1、一週間40時間労働が一般的だが、ほとんどの場合、毎日8時間働いて週五日勤務することになる。義務付けられた40時間を4日間で消化するなら、毎日10時間働けばよいことになる。これで休みが一日増えるから、正に週休三日制だ。
2、在宅勤務(テレコミューティング)
職種によるが、毎日会社へ行かなくても仕事は自宅で出来る。コンピュータ、ビジネス専用電話、ハイスピードインターネットなど揃えば週二日は在宅勤務が可能だ。現に在宅勤務と通常勤務を組み合わせることで、仕事の能率が上がっている。それに通勤日数も減るから、ガソリンが節約できる。
3、休暇の数え方
普通なら有給休暇年10日、といった形で休暇の数え方は日数が基本だが、これを時間に変える企業が増えている。休暇の一日分は8時間に換算され、有給休暇年10日なら計80時間だ。何故これが社員に便利なのか?時間制が採用されることで、社員は4時間だけの休みが取れるから、休暇日数を無駄にすることがない。
4、既に連邦政府機関でも実施されているが、支障の無い範囲で、社員や職員が仕事の開始終了時間を決定できる。とにかく毎日8時間働けば良いのだから、それは9時から5時までに限らず、8時から4時、7時から3時など好きな時間帯を選べる。
5、単なる雑用なのだが、どうしても勤務時間中に会社から抜け出さなければならないことがある。例えば、車の修理だが、自分で行かなくても会社側がやってくれる。残業で遅くなる時は、会社が自宅へ家族のために夕食を届けてくれる。忙しくて床屋に行く暇が無ければ、会社が理容師をオフィスまで呼んでくれる。これなら、勤務時間の無駄使いを防げそうだ。
6、フルタイムからパートタイムに転向
給料が減ることになるが、子どもの面倒をみなければいけない人には良い方法だ。会社側にしても、新しい人を雇って一から仕事を教えるよりも、経験のある人をパートでおいておく方が効率的だ。
勤務時間を11時から7時に変更してほしい、週二日在宅勤務したい、などと頼んでも直ぐ会社側に受け入れられないかもしれない。昔ながらのやり方に慣れた上司なら、先ず首を縦に振ることはないだろう。しかし、社内で仲間を集めて、2週間だけ在宅勤務をテスト的にやることを上司に頼んでみるのも一つの手だ。