次はどの業種が注目されるだろうか?下の週足チャートで分かるように、オイル価格の急騰が主な原因となって、エネルギー・セクターが、過去2年間大きな上昇を展開した。
上昇波動に最初から終わりまで乗るのは難しいが、どうやったら次の人気セクターを見つけることができるのだろう?こんな時、いつもヒントを与えてくれるのが、投資アドバイザーのハリー・ドマッシュ氏だ。さっそく話を聞いてみよう。
「どの株を買うべきか、といった個別銘柄選択が重要視されますが、投資で成功するためには、先ず適切なセクターを選ぶことから始まります。例えば、ここ数年間では平均以下のオイル銘柄が、トップクラスの出版銘柄を上回る好成績を出しています。ですから、下降基調にあるセクターではなく、強いセクターの銘柄を買うことが大切です。
上昇率に違いは生じますが、同セクターに属する銘柄は、株価の動き方がよく似ています。何と言っても同じ業種ですから、企業Aに好都合な条件は、ライバル会社にも良い結果をもたらすことになります。」
ミューチュアルファンドや機関投資家は、多くのアナリストを使ってマーケットを絶えず監視している。次のマーケットテーマをつかむには、どの業種から資金が逃げ出し、どこへ流入しているかを、いち早くつかむ必要がある。情報が揃ったら、あとは将来性の無いセクターから資金を引き上げて、次の主役セクターに資金を移動させるだけだ。これがセクター・ローテーションと呼ばれるものだが、個人投資家にとって肝心なのは、早期段階でセクター・ローテーションに気がつくことだ。ドマッシュ氏の話を続けよう。
「一口にセクターと言っても、そのセクター内の全銘柄が一斉にファンドによって買われるわけではありません。最初に買われるのは、ごく限られた数銘柄だけです。ですから私たちは、特異な動きを示す銘柄に注意を払わなくてはいけません。」
特異な動き、とドマッシュ氏は言うが、これは株価の推移ではなく、ファンダメンタルズに関する二つのことだ。
1、ウォールストリートのアナリストが大幅に収益や売上を上方修正している。
2、最近の収益や売上が、実際にアナリストの予想を大きく上回っている。
ドマッシュ氏によれば、大手証券のアナリストが意見を極端に上方修正すると、ほとんどの場合、株価はつられたように上がる。「もう一つ忘れてはいけないことは、いったん収益が上昇修正されると、他社のアナリストも後を追って、上方修正発表をする傾向があります。」
さて、それでは上記2つの条件に当てはまる上位200銘柄を見てみると、面白いことが分かる。半導体と言えば現在低迷中のセクターなのだが、半導体銘柄に対するアナリストの強気意見が目立つ。実際に名前を挙げれば、クレデンス・システムズ(CMOS)、アシスト・テクノロジーズ(ASYT)、それにウルトラテック(UTEK)などがある。
逆にアナリストの弱気意見が多いのは、インターネット・インフォメーション・プロバイダ、そしてインターネット・ソフトウェア関連だ。例を挙げれば、アプティマス(APTM)、ホームストア(HOMS)、シャンダ・インターアクティブ(SNDA)などだ。
銘柄を選ぶ方法として、ジェームズ・アルチャー氏(投資アドバイザー)は、こんなことを付け加えている。「インフレ懸念、貿易赤字など不安材料の多い今日このごろですから、経済にあまり左右されない業種を選ぶことも大切です。H&Rブロック(HRB)は好例です。経済が落ち込んでも人々は税金を免れることはできません。H&Rブロックは、税金のアドバイスから申告書作成まで全てやってくれますから、経済の浮き沈みに関係なく伸びが期待できます。問題は、現在ニューヨークから告訴されているので、実際に買うのは、判決が出てからになります。」