チャートと言えば、日本ではローソク足チャートが主流になる。しかし、アメリカでは下のようなバーチャートだ。
全体的な流れは、バーチャートでも確認することはできるが、何かシックリしないものを感じられるのではないだろうか。それとも、慣れてしまいさえすれば、チャートの種類などどうでもよいことだろうか?
証券業界で25年以上の経験がある、スティーブン・ビガロウ氏はローソク足(キャンドルスティック・チャート)の大ファンだ。15年前にローソク足を発見したというから、氏はアメリカでいち早くローソクチャートを取り入れたパイオニア的存在だ。
いったいキャンドルスティックのどこに、ビガロウ氏は引かれたのだろう?氏の話を聞いてみよう。「株式投資の秘訣を、かなり長いこと探し続けてきました。手法に関する本やレポートは、全て読み尽くしたことでしょう。しかし、キャンドルスティックが、一大転換点になりました。ローソク足には、売買のタイミングが明瞭に表れます。ブルマーケット、ベアマーケットは関係ありません。もちろん、ローソク足は株だけに限らず先物市場にも使うことができます。」
ローソクチャートを見慣れた私たちにとって、ビガロウ氏の意見は新鮮な響きがある。氏の話を続けよう。「米相場の時代から、日本ではローソクチャートが使われていたようです。アメリカで一般的なバーチャートと、ローソク足の決定的な違いは何でしょうか?バーチャートの場合、高値と安値ばかりが注目されますが、ローソクチャートは始値と終値に最大の注意が払われます。」
投資心理という言葉があるように、株式市場は投資者の感情に左右される。この大衆心理も、ローソク足には明確に表示される、とビガロウ氏は言う。「キャンドルスティックを観察することで、感情的になった大衆を理解することができるだけでなく、それをトレードに利用することが可能になります。とにかく、先ずキャンドルスティックの読み方を身につけなければいけません。ローソク足は長期投資、スイングトレード、そしてデイトレードにも効果的に活用することができます。」
ここで思い出すのが、アメリカにローソクチャートを紹介したスティーブ・ニソン氏だ。もう15年以上も前の話になるが、先物市場アナリストとしてシアソン・リーマン・ハットンに勤務していた氏は、分析にローソクチャートを利用していることを、同僚や上司に打ち明けたことはなかったという。しかし今日、多くのトレーダーは氏に感謝のメールを送っている。ニソン氏のセミナーや本を通して、米国トレーダーたちは「同時」、「はらみ」などの新しい知識を得た。
ローソク足の利点について、ニソン氏はこう語っている。「バーチャートに応用できる物は、全てキャンドルスティックに適用できます。それだけではなく、ローソクチャートには独特な売買シグナルがあります。同時は既に有名ですが、かぶせ足、切り込み線など例は豊富です。ローソクチャートの最も優れている点の一つは、バーチャートよりも反転シグナルがハッキリと表れることです。」
さて、もう一度ローソクチャートの本を読み返してみよう。